2017-05

ピンぼけで,広島・長崎の願いからズレた赤旗の記事--米印核協定問題

引き続き,米印核協定のメディアの扱いについて.
9月8日のしんぶん赤旗が原子力供給国グループ(NSG)臨時総会の結果を報道したが,粗雑で,核廃絶を願う多くの人々の感覚からずれたものになっている.それどころか,その「論理」は床屋談義レベルだ.そして,日本政府がこれを容認したことにへの批判や非難のひとこともない.この分野は人材不足なのだろうか?

粗雑さは「解説」の冒頭のパラグラフに集約されている.(赤色は引用者)

「今回問われたのは、核不拡散条約(NPT)に加盟せず核兵器を開発した国(インドはその一つ)に対し、民生用の原子力(核)協力を行うことを認めるのは、NPTを掘り崩すという問題でした。しかし核不拡散を保障する最大のかぎは、すべての国の核兵器を禁止し廃絶することにあります。」

このように,NPTを台無しにするということと,「核廃絶」とを並べて対比するという,およそ訳の分からないはぐらかし論法になっている.決定に対する非難も,アメリカの提案に賛成した日本政府を批判する言葉も全くない.5日の,院内集会を報道した記事の見出し「政府は承認するな」という言葉はどこに消えたのか?

続けてNPTが不平等条約であることを,今回のインドの「特別扱い」と並べて論じているが,NPTの不平等性は承知の上で,かつそれが今日,核廃絶への重要な道具立てになっていることは,この分野で活動する人の常識である.したがって例えば原水協も,「2010年のNPT再検討会議は、核兵器廃絶への展望を切りひらく重要な機会である」(今年の国際会議宣言)として,これに焦点を合わせて国際署名を取り組むなど,活動を強化しようとしている.NPTを台無しにするということは,2010年の再検討会議をあらかじめ台無しにするということだ.「核廃絶」への道のりをいっそう困難にするということである.このしんぶん赤旗の「解説」執筆者は,この単純な論理が理解できていないようだ.

9日に,原水協,原水禁,被爆者団体を含む17もの広範な諸団体は共同で「インドを特例扱いするNSGガイドライン変更にあたっての声明」を発表した.「解説」子は是非ともこの文書を「学習」してもらいたい.その最後から2番目の段落を全文引用する.

日本の政府は、被爆国の政府でありながら、広島、長崎という被爆地の被爆者団体、両市長、両県知事、更には市議会や県議会の決議、その他多くの地方自治体決議、永年にわたって核兵器廃絶運動に携わってきた全国の被爆者団体や原水禁団体を含む平和市民団体の一致した要求、更に最近では超党派の国会議員の中にも起こりつつあった反対の声を無視して、NPT体制への打撃を最小限にする努力さえせず、インドを例外扱いにする米印原子力協定を容認したのである。われわれは、被爆国の国民としてこのような政府を持ったことに対し、慚愧に絶えない思いである。

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しんぶん赤旗の該当記事
米印の原子力協定/政府は承認するな/超党派集会/笠井氏あいさつ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-09-05/2008090504_01_0.html

対インド核輸出を解禁/米提案 供給国総会が承認
解説/すべての国の核廃絶こそ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-09-08/2008090807_01_0.html
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