2017-05

戦争法案の強行採決を阻止するには

強行採決へのカウントダウンが始まった今,その直前,強行採決必至という状況で何をなすべきか,何が出来るのか,真剣に考えておくべきです.その瞬間,国会周辺は多くの抗議者であふれているはずです.その叫びは国会の中にも聞こえるでしょう.それだけでいいのか,ということです.

1章表紙.jpg重大な違憲行為であることがこれだけ明白な以上,超法規的憲法保障としての抵抗権を行使して,強行採決を止めるべきだと思います.具体的には,1,000人程の組織された集団が国会を封鎖する,具体的には議員会館の入り口などに大勢で座り込むことで,定足数3分の1を阻止することです.

10万の人々が国会を取り囲んでも,このような行動が組織されず,法案が可決されてしまうという事態をむかえたとき,はたして悔いは残らないでしょうか?10万は,法案の具体的阻止という目標に照らせば,結局,烏合の衆でしかなかった,ということにならないでしょうか?

もちろん,その前にこれに至らないようにする活動をやらなければならないのは言うまでもありませんが,最後の手段も当然準備しなければならないということです.

憲法保障,超法規的憲法保障については,ある法律サイト*に次のような解説があります.

憲法保障とは,最高法規である憲法の意味・体系・内容が下位の法規範ないし法的措置によって変質させられてしまうことを事前に防止し,または事後に是正するための措置をいいます.憲法保障を大別すると,(1)憲法自身に定められている制度と,(2)憲法には定められていないけれども超法規的な根拠によって認められると考えられる制度があります.

憲法自身に定めがあるものとしては,よく知られた違憲立法審査権などがあります.問題は憲法外的保障(憲法に規定のない保障)です.これについて,同じサイトは抵抗権について次のように説明しています.抵抗権.jpg

超法規的根拠により認められる憲法保障制度
(1)抵抗権
抵抗権とは,国家権力が人間の尊厳を侵す重大な不法を行った場合に,国民が自らの権利・自由を守り人間の尊厳を確保するため,実定法上の義務を拒否する抵抗行為をいいます.抵抗権の考え方は古くからあり,人権思想の発達に大きな役割を果たしました.特に近代市民革命の時代には,実際に重要な意味を持つものでした.しかし,その後の近代立憲主義の進展とともに,憲法保障制度が整備されることによって,抵抗権は人権宣言から姿を消してしまいました.抵抗権は,本来,個人の権利・自由として実定化されることになじまない性格を持っているからです.そして,日本国憲法上も,抵抗権の規定は存在しません.ただし,現在でも抵抗権の概念自体は認められる余地があるとされています.

繰り返しになりますが,国会での政府の説明が何重にも破綻し,違憲立法であることが明白になっても,ただ審議時間さえ経てば「数」によって押し切られるという状況では,これを阻止するには抵抗権の行使しか残されていません.

この行動の準備に当たっては,次のような配慮が必要でしょう.
1.参加者を限定し,あらゆる場面で,言葉の暴力も含めて非暴力を徹底する.
2.挑発者の紛れ込みを防止する.
3.逮捕覚悟の行動になるため,その用意があるかどうかを確認する.

人数が十分でなければ,警察のごぼう抜きによって一時的に排除されるということになるかも知れません.しかしこのように「実効的な」行動が示されることで,多くの人々をエンパワーし,この活動への理解者・参加者が膨らむことも期待できます.最大の敵はなにより「無力感」なので,これから人々を解放する一助となるでしょう.

このような,国会に対する直接行動は,国会自身が憲法上重要な位置を占めるため,濫用するとそれ自体が憲法破壊行為になります.極右勢力が同様の行動を起こす,そのような事態へのパンドラの箱を開けることになるかも知れません.したがって,抵抗権の濫用ではないという十分な確信が必要です.(極右の同様の行為に対しては,平和勢力が非暴力でこれに対処するということでなければなりません.)

沖縄や原発再稼働阻止など少ない事象を除いて,国内の市民運動においては「抵抗権」がほとんど封印された状態が長く続きましたが,その限界が見えて来ているという認識がむしろ重要だと思います.

8月30日の「国家包囲」が単なる象徴的表現行為ではなく,「国会封鎖」の予行演習となることを期待します.

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*LEC東京リーガルマインドのサイト
https://online.lec-jp.com/images/goods/pdf/kd00415.pdf
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同じ趣旨の過去の記事です.
戦争法案を #本当に止める にはどうするか(2)「憲法より礼儀が大事」を否定するなら
戦争法案を廃案に追い込むシナリオ
戦争法案を“#本当に止める”にはどうするか

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