2017-06

「起立」する人の責任

立川第二中学校の先生のメールを紹介したが,その中の次の言葉に印象づけられた.
当日は、「開式の言葉」で全員起立した状態で『君が代斉唱』は始まり、はじめは私は座らずにいました。途中で座りました。罪悪感に胸が締め付けられ、苦しくて苦しくて、この時間の長かったこと。着席したとき、「銃の引き金を引かなくてよかった」とほっとしました。
この「罪悪感」を,おなじ学校の同僚の先生たちはどの程度感じているのだろうか?「君が代」が好きか嫌いか,気にするか気にしないかの問題ではない.まかり通っている現代の「踏み絵」,思想統制を目の当たりにして,「何もしない」ことはそれに加担することであることは,少しでも教育のある人なら理解できるはずである.その上で「起立」し,根津さんのような常識をわきまえた人を目立たせているのである.そのことによって「処分」が可能になっている.
もし平均的な良識と,「連帯」という価値を理解する人が半分でもいれば,「処分」は不可能になるだろう.これを思想統制ととらえることの出来ない感性の低下あるいは無関心と,無関心のふりをする臆病さが,ファシズムを育てるのであろう.
「見て見ぬ振りはイジメの共犯」などと先生は子どもたちに教えるのではないか.自分の目の前でそれが行われているとき何もできないのでは,そのようなことを教える資格もないと言うべきだろう.

「不起立」の先生たちを「勇気がある」として誉めるのもいいが,しかし,起立してしまう先生を批判することがほとんどなされないのも変である.むしろ,「それぞれ条件が違うから・・・」などと寛容な,庇うような言説が優位であるような気がする.外部のものがそのようなことを言いにくいということもあるだろう.自分がおなじ立場に置かれたらどうなるか分からないというわけである.これは一見慎重で尤もらしい態度にも思えるが,しかしこれは「臆病の先物買い」のようなものだ.敢えて批判し,もしその状況で自分に勇気がなかったときは恥をかくリスクを負うという,いわば勇気の先物買いぐらいはしてもよい.いやむしろすべきであろう.
学校現場の無法を見ていると,ファシズムは一夜にして訪れるものではなさそうだと思える.少しずつ少しずつ,一歩一歩,人々の臆病さに育てられて,日々成長していくもののようだ.とすれば,ファシズムとの闘い方も少し分かって来たような気がする.

(5月15日追記,20日字句修正)

どうしてもコメント欄への書き込みができないので・・・

「職務命令はルール」とのコメントがありましたが,それは全く違います.「ルール」は「法の支配」の「法」を指しています.これに対して「命令」は人間の行為です.「命令イクオール法」という考えは近代的な法治主義,つまり「法の支配」とは正反対のもので,「人治」になってしまいます.

 このことを端的に示すものに,「違法な命令には従ってはならない」という「ニュールンベルグ原則」*というのがあります.これは国際法や戦争犯罪に関するものですが,一般的にも成り立つと思われます.卑近な例では,牛肉偽装の上司の命令に部下は従うべきではなかった,などです.

 法には上下関係があり,上位の法と下位の法,また命令とが矛盾するとき,当然上位の法が優先します.最終的には憲法や教育基本法です.私は法学の人間ではありませんが,「法の支配」というものをこのように理解しています.

 なお,コメント欄で引用した福岡地裁判決に矛盾があるのは確かです.命令は正当なのに「拘束力を持」たない,つまり従わなくてもいい,と言っているのですから.


* ニュールンベルグ原則については以下を参照下さい.

国際軍事裁判所規約 第八条

http://ad9.org/pegasus/peace/nurchartr.html

「ニュルンベルグ裁判所憲章と判決において認められた国際法の諸原則」

Principle IV

http://www.un.org/law/ilc/texts/nurnberg.htm


↑ リンク切れのため「魚拓」へ ↓
http://ad9.org/pegasus/peace/nurnberg.html


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