2017-04

抗議デモの効果を決める二つの要素 — 人数とメッセージの強さ

new2st.gif7/30追記:2名が逮捕されているようです.支援のための情報は以下.
https://twitter.com/akagikonuma/status/229849363663421440
new2st.gif31日,釈放されたとのことです.

きょうは脱原発国会包囲のネット中継を,終了直前から見始めた.ちょうど,警察の規制ラインが人の波によって決壊したところだった.主催者のミサオ・レッドウルフさんが,例のマスク姿で歩道に戻るようにと訴える.「きょうの行動だけでは原発は止められません」というようなことを叫ぶ.「じゃあ,どうしたら止められるんだ!」とヤジが飛ぶ.そのような状況が10分か20分も続いただろうか,そして主催者が「終了」を宣言する.

国会前チャンネルが静止画になってしまったので官邸前中継にチャンネルを切り替えているとそこはどちらかというと静かで,同じイベントとは思えない.国会前に戻すと,もうあっという間に集会は解散モードに切り替わっていた.なんとあっさりしていることか.「もったいない」という声も聞こえる.

野田政権は,いずれこのデモも下火になっていくのだろうとタカをくくっているのだろう.実際その恐れもある.「鉄は熱いうちに打て」という格言が気になる.

人々に訴える力は,抗議者の人数だけでなくその人たちの訴えの強さにある.それは表現のレベル,つまり行動に反映する.言葉によるだけではない「行為によるプロパガンダ」[注]である.たとえば,2時間で引き上げず官邸前の車道を占拠し続ければ逮捕者も出るだろうが,そのことはマイナスというばかりではない.逮捕も恐れず抗議の意志を示し続けたということで,それが強いメッセージとなり説得力の獲得するのである.

主催者の首都圏反原発連合としては,そのような「過激」な行動は多くの参加者にネガティブに働き,次回からの参加をためらうと思っているのだろう.しかし本当にそうだろうか?暴動のような暴力的事態に発展しない限り,逮捕されるのが「希望者」に限られる場合,つまり逮捕を避ける行動メニューが用意されている限りは,安心して参加出来るだろう.私が経験したイギリスの核兵器反対の直接行動が,参加者にまさにそのような幅広い参加形態のスペクトルを用意していた.(例えば「大学人によるセミナー・基地封鎖」.道路に座り込めば逮捕の可能性があるが,歩道で応援する人は安全)

主催者は非暴力“直接行動”と称しているようだが,これは直接行動という言葉の誤用だろう.現在までの行動に関する限り,「表現行動」の範囲を出ない.

この恒例の官邸デモはもはや主催者の所有物ではない.参加者一人一人のものだ.それらの人々自身によって「再定義」されて行くだろう.new2st.gif実際,今回もそうだが,参加者は車道を自主的に占拠するという形で,主催者の枠を超えて内容を文字通り拡張し,再定義している.デモのスローガンも,被ばく問題,がれき問題へと多様化し拡張されるだろう.
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[注] マイケル・ランドル「市民的抵抗」(新教出版,2003年)p.134.
オリジナルでは"propaganda by the deed". Michael Randle, Civil Resistance (Fontana Press, London, 1994) p.114.

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「非暴力直接行動」って何だろう?(上)-最も険しい困難な選択のはず

弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは強さの証だ(マハトマ・ガンジー) とりわけ3・11後の反原発闘争が盛り上がる中で「非暴力直接行動」を名乗る運動が増えてきました。一時期などは新しく立ち上がる運動や個人はみんな、猫も杓子も「非暴力直接行動」を謳っているような印象を受けたことすらあります。  まあ別に学問的な意味で厳密な定義があるわけでなし、80年代に「○○ネットワーク」という...

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