2017-07

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物理学会での原発論議(続き)

3日目の26日午後も「福島原発事故と物理学者の社会的責任」と題して,原発をめぐる議論がなされた.(プログラムは次に掲示)
http://w4.gakkai-web.net/jps_search/2012sp/bs.html

趣旨説明のあと,三重大学の奥村晴彦氏が,情報科学・工学の立場から「原発事故と情報発信」というタイトルで講演,政府のネット技術,インフラのお粗末さを指摘した.災害などアクセス殺到時にサーバーが落ちてしまう,urlが勝手に変えられる,など具体的な問題点を指摘.線量などのデータの発表がpdfで,しかも形式がまちまちなため,グラフ化しようとしても容易ではない,文科省だけは申し入れしてcsvかエクセルにしてもらったが,他は未だにダメ,とのこと.

この「pdf発表」には私も前から閉口していた.CTBT高崎のデータもそうで,グラフにするのに本当に手間がかかる.福島県に「私たちがデータを可視化するのは迷惑か?」と訊いたら,「迷惑だ」との返事だったとのこと.つまり情報公開は市民のため,住民のためではなく,公開していますという「アリバイ」のためのようだ.


東大・物性研究所の押川氏は,事故後の物理学者の情報発信のありかたを分析していた.キーワードは「正常性バイアス」.人は危機的状況に陥ると,「たいしたことはない,大丈夫」という楽観的対応を取りがちという研究があるそうだ.ネット上にあきらかにデマとわかる情報も氾濫する中で,それに,当然ながら批判的に反応するあまり,真に危険性を示す情報にたいしても,物理学者は「デマではないか」という反応をしたのではないか,という分析を,会場に居る同じ東大の先輩の例を挙げて行った.スライドには東大の早野龍五氏のツイッターが具体例として出た.(そういえば早野氏はどこかのサイトで「御用学者」に分類されていたようだ.)

休憩時間には早野氏の笑顔が見えたので,不意打ちではなかったのだろう.このようなフランクなやりとりがなされるのが物理学会のいいところだ.

九大の吉岡斉さんから依頼されて,ということで次に登壇した経済学者・橘川武郎氏は,原発漸減派で,どちらかと言うと会場で受けてなかったような印象.私も彼の,原発は当面必要という論理があまり理解できなかった.

最後は,佐賀のプルサーマル裁判の会でも重要な役割を果たしてもらっている,美浜の会の小山英之さん.

ディスカッションでは私も何回か発言したが,4号機の燃料プールの深刻さを指摘して,物理学会など責任ある団体は,この対策のために専門家チームを作るべきだ,未だに東電任せは全くひどい,と述べた.事故直後,日本と言わず世界の最高の頭脳,技術人を集めて対策チームを作って対処すべきだと,ブログにも書いた.原子力界のOB達も同じ趣旨の声明を発していた.それが1年経って未だに形が見えない.

4号機燃料プール問題は昨日(4月2日)の毎日の「風知草」でも取り上げていた.そのタイトルは「宙に浮く燃料プール」.そこに,震災直後の首相補佐官だった馬淵澄夫氏が,4号機の地下からプールの底までコンクリートを注入するという提案をしたが,「東電の判断で見送られ」たと書かれている.馬淵氏のこの提案は知らなかったが,彼に遅れること10ヶ月,私も同じことを考えていた.今からでもこの案を真剣に検討すべきではないだろうか.そして,学界の中では今回の事故に最も責任がある原子力学会はもとより,物理学会も,学際的な専門家チームを組織すべきだ.そして政府に対して発言すべきだ.

初日の広い部屋とは違って,普通サイズだったため参加者があふれ,通路にまで座り込む始末.そこで前半のセッションが終わると急きょ大きな教室に移動して,ホットな議論が展開された.

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