2017-04

田母神トンデモ論文と民主党のテロ特措法対案の共通点

田母神トンデモ論文では,歴史問題とは別に,「集団的自衛権」禁止にも公然と反対しているが*,実はこれは今回提出された民主党のテロ特措法対案と共通するのである.それは,派兵恒久法の必要性に言及した法案25条にある.

国際的なテロリズムの防止及び根絶のためのアフガニスタン復興支援等に関する特別措置法(案)
( 基本的な法制の整備)
第二十五条 国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主導的に寄与することを含む我が国の安全保障の原則に関する基本的な法制の整備が速やかに行われるものとし、当該法制の整備において、日本国憲法の下での自衛権の発動に関する基本原則及び国際連合憲章第7章の集団安全保障措置等に係る我が国の対応措置に関する基本原則( 2005年9月16日の国際連合総会決議に規定する大量虐殺、戦争犯罪、民族浄化及び人道に対する犯罪から人々を保護する責任の原則にのっとった活動が国際連合の下で実施されることとなった場合における当該活動に対する我が国の協力の在り方に関する事項を含む。) が定められるものとする。

非常に分かりにくいが,赤字の部分に注目されたい.専門家によるとこれを,「派兵恒久法を早急に制定」と読まなければならないそうである**.

「集団安全保障」という言葉が使われているが,これは全く誤りで,国連憲章第7章が規定するのは「集団的自衛権」である.意図的かどうか分からないが,全く異なる概念に差し替えられている.「集団安全保障」とは,いわば国連というシステムそのものを言うのであって,その中心は「戦争をしてはいけないという取り決め」なのだ.これと,いくつかの国家が徒党を組んで「自衛戦争」してもいいという「集団的自衛権」とは全く異なるのである.

このように上の法案では「集団安全保障」を「集団的自衛権」と読み替えなければならないので,民主党の政策は「派兵恒久法で集団的自衛権を行使する」となるのである.

民主党の対案には,武器の使用範囲,活動条件の拡大など,他にも重大な問題がある.さらに,この法案は廃案ではなく継続審議になっているらしい.民主党単独での「政権交代」の暁には,これが実現するであろうことを覚悟しなければならない.

--------

* 例えば,次の毎日の記事参照
田母神・航空幕僚長:過去の戦争めぐる論文で「侵略は濡れ衣」 政府見解を逸脱、更迭
毎日新聞 2008年11月1日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081101ddm001010006000c.html
(リード部分)
 航空自衛隊トップの田母神(たもがみ)俊雄・航空幕僚長(60)=空将=が、日本の過去の戦争をめぐって「我が国が侵略国家というのは濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)だ」と主張する論文を執筆していたことが31日、分かった。侵略と植民地支配を謝罪した95年の「村山談話」などの政府見解を大きく逸脱する内容。集団的自衛権の行使を禁ずる憲法解釈などを「東京裁判のマインドコントロール」と批判もしており、政府は31日夜、田母神氏を更迭し、航空幕僚監部付とした。

** 民主党の対案の問題点については,マイナーな雑誌だが「社会評論」(スペース伽耶)08年秋号50ページの萩尾健太氏の論文に詳しく書かれている.

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