2017-05

スト情報を流さないイタリアのテレビ

イタリア関係でもう一つ.学会場となった小さな町カスティリオンチェッロからフィレンツェに移る予定の日に,国鉄がストを予定していることが判明した.あわててバスなどの代替手段を考えようと,バス停の時刻表を写真に撮って,どれに乗ればいいかホテルの人に聞こうと思った.ところが,乗り換えの接続が悪い,行けないなどと言ってほとんど真剣に取り合ってくれない.

SANY0396w400.jpg国鉄の駅は無人駅で,切符は駅前の売店が売っているので,そこにストがどうなったか聞いてみると,「ラジオが中止とか言っていたような気がする」という,いい加減な応対だ.切符を売る仕事をしているなら,そんな情報はちゃんとつかんでくれよ,と言いたいが,どうやらこれがこちらの標準らしい.

そこで売店で仕入れたこの情報をホテルの受付に持って行くと,「いや,多分ストはあるだろう」と,調べもしないで言う.「じゃあ出発を早めて,列車が動くうちに引き上げるので,今日の宿泊をキャンセルしたい」と言うと,ようやく電話をかけて調べ始め,スト中止が判明した.もう,まったく・・・.

不思議なのは,こんな重要な,特に旅行者にとっては死活的な情報を,テレビが全く報道しないことだ.いったいどうなっているのか・・・.

ホテルや駅前の売店の経験は,たまたま接した人の個性によるものかも知れない.しかし一般にヨーロッパに行くと日本のサービス業がいかに懇切丁寧で行き届いているかということが分かる.でも,だからと言って日本が良くてヨーロッパがダメと言うことも出来ない.つまり,少なくとも働く側の立場からすれば,日本に較べてヨーロッパの方が逆にはるかにいいのだ.みなゆったりと仕事をしているし,接客態度も堂々としている.労働時間もはるかに短いはずだ.「カローシ」という言葉が生まれる国とは大違い.

どうしてこのような違いが出来るのか考えてみると,この国日本では,個々人の消費者,サービスの受け手としての側面ばかりが強調され,生産者,労働者としての側面が軽視されていることに大きな原因があるのではないだろうか.働かなくても不自由なく暮らしていける人は別として,ほとんどだれでも働かなければならず,したがってこの二つの面を持っているのだが,なぜか前者ばかり強調され,後者はほとんど無視される.消費者の立場に立てば,店はいつでも開いていた方がいいし,窓口の行列は短いほどいい.しかし,それを実現するには,労働者は長時間,忙しく働かなければならない.

この二つの側面が切り離されてしまって,両方とも「自分のこと」なのだということを,なぜか忘れるようにし向けられているのではないか.要は,この二つの間のバランスこそ重要なのだ.

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