「日本人はおとなしく従順」という集団自己暗示
日本人は(政治的に)おとなしい,従順だ,という集団的自己評価が言わばこの社会で「定説」となっているようだ.だいぶ前だが,本多勝一氏も「従順なヒツジ遺伝子S型が七割を占める体制順応民族・日本人」などと述べている.しかし(あるかないかわからない)遺伝子を政治文化のレベルに結びつけるのは,血液型で性格を判断するのと五十歩百歩だろう.むしろ,そのような「自己評価」や言説それ自体が日本人をおとなしく従順にしているという,一種の自己暗示の面も無視できないだろう.
実際,我々の祖先が「体制順応」的でなかった証拠として,多くの一揆の史実がある.北部九州地域に限っても,1754年の「久留米藩大一揆」,1771年の「虹の松原一揆」がある.いずれも一揆側が部分的にせよ要求を勝ち取っている(後者は完全非暴力である).ところがこのような歴史は学校教育では全くと言っていいほど教えられないため,上記のような「大人しく従順」という説を信じ込み易いのだろう.先週土曜日のパリ・シャンゼリゼ大通りを占拠した「黄色いベスト」,我々は彼らの行動をただ指をくわえて見ていることしかできないのだろうか?しかしこの国の数多い一揆の歴史を見れば,もしかするとそれに甘んじなくてもいのかも知れないのだ.
虹の松原一揆は歴史の本で知っていたが,この久留米藩大一揆は,久留米の原住民でありながら,つい先日の,中学校PTAのOB飲み会で出た話で初めて知った(このOB会はもう20年以上も続いている).そこでは安倍内閣にも話題が及んだが,参加者9人の全員が「不支持」で一致した.つまりこのサンプルでは内閣支持率は零パーセントだった.メンバーの年齢分布は当然偏っているが,政治的傾向は,左右の座標軸でどちらかに偏っているとも思えない.ということで,大手メディアが流す40%を超えるような内閣支持率というのはフェイクではないか思われる.
メディアの報道が大勢として政治的に大きく歪められているというのは,政治リテラシー・メディアリテラシーを自認する市民にとって常識だが,同じ大手メディアでも世論調査の結果だけは100%信用できると考えるとしたら,それはむしろ不自然だろう.
実際,我々の祖先が「体制順応」的でなかった証拠として,多くの一揆の史実がある.北部九州地域に限っても,1754年の「久留米藩大一揆」,1771年の「虹の松原一揆」がある.いずれも一揆側が部分的にせよ要求を勝ち取っている(後者は完全非暴力である).ところがこのような歴史は学校教育では全くと言っていいほど教えられないため,上記のような「大人しく従順」という説を信じ込み易いのだろう.先週土曜日のパリ・シャンゼリゼ大通りを占拠した「黄色いベスト」,我々は彼らの行動をただ指をくわえて見ていることしかできないのだろうか?しかしこの国の数多い一揆の歴史を見れば,もしかするとそれに甘んじなくてもいのかも知れないのだ.
虹の松原一揆は歴史の本で知っていたが,この久留米藩大一揆は,久留米の原住民でありながら,つい先日の,中学校PTAのOB飲み会で出た話で初めて知った(このOB会はもう20年以上も続いている).そこでは安倍内閣にも話題が及んだが,参加者9人の全員が「不支持」で一致した.つまりこのサンプルでは内閣支持率は零パーセントだった.メンバーの年齢分布は当然偏っているが,政治的傾向は,左右の座標軸でどちらかに偏っているとも思えない.ということで,大手メディアが流す40%を超えるような内閣支持率というのはフェイクではないか思われる.
メディアの報道が大勢として政治的に大きく歪められているというのは,政治リテラシー・メディアリテラシーを自認する市民にとって常識だが,同じ大手メディアでも世論調査の結果だけは100%信用できると考えるとしたら,それはむしろ不自然だろう.
平和研究集会での発表から
先週土曜,佐賀大学で平和学会の九州地区研究会が開かれ,原発問題を中心にスピーチをしました.福島原発事故ことや玄海原発再稼働反対運動が主な内容です.最後の方で,「市民的不服従」という運動形態の重要性を強調しました.この部分が特に目新しいと思いますので,とりあえずその内容を紹介します.(
22日追記:当日スライドで紹介した吉田所長の「チェルノブイリの10倍」発言を、門田氏の著書「死の淵を見た男」からこちらに引用)
タイトルと見出しは次の通りです.
玄海原発再稼働と市民運動
1 「311」以前
2 福島原発事故の衝撃
3 再稼働をめぐる第1次攻防(2011〜2016年)
4 再稼働をめぐる第2次攻防(2017年以降)
5 福島原発事故の現在
6 対抗勢力の活動における重要な,また新しい形態について
それでは,この最後の「6」の部分を以下に全文紹介します.[ ]で囲まれた数字は注の番号で,末尾にあります.なお,全文のpdfとスライド,付録(時系列表)も公開します.
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6 対抗勢力の活動における重要な,また新しい形態について
対抗勢力の運動に関して,次の二つの「不服従」の重要性を強調したい.
不服従(1)市民的不服従,市民的抵抗,または非暴力直接行動(NVDA)
不服従(2)組織上の不服従
まず不服従(1)の市民的不服従について.簡潔な定義を,とりあえずウィキペディアから引用する(スライド28).

タイトルと見出しは次の通りです.
玄海原発再稼働と市民運動
1 「311」以前
2 福島原発事故の衝撃
3 再稼働をめぐる第1次攻防(2011〜2016年)
4 再稼働をめぐる第2次攻防(2017年以降)
5 福島原発事故の現在
6 対抗勢力の活動における重要な,また新しい形態について
それでは,この最後の「6」の部分を以下に全文紹介します.[ ]で囲まれた数字は注の番号で,末尾にあります.なお,全文のpdfとスライド,付録(時系列表)も公開します.
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6 対抗勢力の活動における重要な,また新しい形態について
対抗勢力の運動に関して,次の二つの「不服従」の重要性を強調したい.
不服従(1)市民的不服従,市民的抵抗,または非暴力直接行動(NVDA)
不服従(2)組織上の不服従
まず不服従(1)の市民的不服従について.簡潔な定義を,とりあえずウィキペディアから引用する(スライド28).
良心*にもとづき従うことができないと考えた特定の法律や命令に非暴力的手段で公然と違反する行為.個人的になされることも,集団的になされることもある.通常は特定の法律・政策に絞って行われる.(ウィキペディア2018年11月=寺島俊穂『市民的不服従』)
*私は「良心」に加え,「あるいはさらに憲法や国際法など上位の法規範」を追加することを提案したい.