生活保護申請デモ
生活保護受給者やその可能性のある人々に対する猜疑心キャンペーンは,心ない人々に差別やバッシングという劣情(この語の再利用について)を煽っている.この風潮を一掃するための「イメージ作戦」を提案したい.
これらの人々に押し付けられるネガティブなイメージ,スティグマを消し,生活保護は人々のあたりまえの権利であり当然のことであるというイメージに是正しなければなならない.そのためには,やはり文字通り「イメージ作戦」が効果的ではないか.
受給申請書を束にして,申請者と支援者で堂々と隊列を組み,タレントや有名人をスカウトして同行してもらい,幟旗を立てて申し込みに行く「一斉申請キャンペーン」をやるのだ.隊列を組むに必要な人数は,残念ながらと言うべきだが,大きな都市であればすぐに集まるのではないか.
そのような気になってくれる申請者がどのくらい集まるか,というのが問題だろう.多くの人が「申し訳ないこと」などと思っていると想像され,「大きな顔をして」役所に行くのをためらうだろう.それでも東京や大阪なら,卑屈さから自由な,権利の自覚を持つ人が何人かは見つかるはずだ.
このような行動に対しては,劣情に冒された人々によるバッシングがあり得るが,それは織り込み済み,予定通りとして正面から反撃することが重要だ.ひるんだり遠慮したりすることこそが,劣情者を増長させるのだ.
「ハリー・ポッター」は,生活保護受給者であったJ.K.ローリングによって書かれたという話は有名だ.もちろん生活保護を受けたら小説を書かなければならない,ということはない.
これらの人々に押し付けられるネガティブなイメージ,スティグマを消し,生活保護は人々のあたりまえの権利であり当然のことであるというイメージに是正しなければなならない.そのためには,やはり文字通り「イメージ作戦」が効果的ではないか.
受給申請書を束にして,申請者と支援者で堂々と隊列を組み,タレントや有名人をスカウトして同行してもらい,幟旗を立てて申し込みに行く「一斉申請キャンペーン」をやるのだ.隊列を組むに必要な人数は,残念ながらと言うべきだが,大きな都市であればすぐに集まるのではないか.
そのような気になってくれる申請者がどのくらい集まるか,というのが問題だろう.多くの人が「申し訳ないこと」などと思っていると想像され,「大きな顔をして」役所に行くのをためらうだろう.それでも東京や大阪なら,卑屈さから自由な,権利の自覚を持つ人が何人かは見つかるはずだ.
このような行動に対しては,劣情に冒された人々によるバッシングがあり得るが,それは織り込み済み,予定通りとして正面から反撃することが重要だ.ひるんだり遠慮したりすることこそが,劣情者を増長させるのだ.
「ハリー・ポッター」は,生活保護受給者であったJ.K.ローリングによって書かれたという話は有名だ.もちろん生活保護を受けたら小説を書かなければならない,ということはない.
東海村の加速器実験施設の事故で出た放射性物質の種類
東海村の加速器実験施設で放射能漏れ事故が起きました.原子炉と違って,加速器施設での放射能漏れは業界関係者にも奇異に感じられます.普通の加速器では,たしかに運転時の「放射線」は問題になりますが,「放射能」,つまり放射性物質の生成は微々たるものだからです.しかしこのJ-PARKというのは,エネルギーはさほどでなくても,ビームの強度(毎秒打ち出される粒子の個数)が桁違いなので,なるほどと思われます.
問題は放射性物質の種類ですが,J-PARKのサイトによると,次の5種類が内部被ばくを引き起こしたとされています.
Hg-197, K-43, Au-198, Hg-195, Na-24
(出典: http://j-parc.jp/researcher/ja/safety/HDtrouble20130525.pdf )
(元素記号 Hg:水銀,K:カリウム,Au:金,Na:ナトリウム)
それぞれの半減期を調べてみると,次のように短いものばかりです.
Hg-197:64時間, K-43:22時間, Au-198:2.7日, Hg-195:10.5時間, Na-24:15時間
(半減期などは次のサイトで調べられます.カーソルで核種を選んでクリックすると,下にその核種の基本的な情報が表示されます.
http://www.nndc.bnl.gov/chart/ )
したがってすぐに消えてしまうもので,後遺症は心配する必要はありません.(ホントの話です.御用学者の安全宣言ではありません.)
職員や院生の内部被ばくはミリシーベルトの桁のようです.もちろんあってはならないことですが,福島の汚染地域の線引きが,年間とは言え「20ミリシーベルト」というのがいかにとんでもない数字か,このことも今回の事件で連想して下さい.しかも外部被ばくだけ,内部被ばくはカウントせずに,です.
問題は放射性物質の種類ですが,J-PARKのサイトによると,次の5種類が内部被ばくを引き起こしたとされています.
Hg-197, K-43, Au-198, Hg-195, Na-24
(出典: http://j-parc.jp/researcher/ja/safety/HDtrouble20130525.pdf )
(元素記号 Hg:水銀,K:カリウム,Au:金,Na:ナトリウム)
それぞれの半減期を調べてみると,次のように短いものばかりです.
Hg-197:64時間, K-43:22時間, Au-198:2.7日, Hg-195:10.5時間, Na-24:15時間
(半減期などは次のサイトで調べられます.カーソルで核種を選んでクリックすると,下にその核種の基本的な情報が表示されます.
http://www.nndc.bnl.gov/chart/ )
したがってすぐに消えてしまうもので,後遺症は心配する必要はありません.(ホントの話です.御用学者の安全宣言ではありません.)
職員や院生の内部被ばくはミリシーベルトの桁のようです.もちろんあってはならないことですが,福島の汚染地域の線引きが,年間とは言え「20ミリシーベルト」というのがいかにとんでもない数字か,このことも今回の事件で連想して下さい.しかも外部被ばくだけ,内部被ばくはカウントせずに,です.
食器棚と両立するワイングラスハンガー
ワイングラスハンガーを設置したいと思いながら,ほんの数脚のための適当な既製品がなく,また戸棚に2本の片持ち棒を取り付けるのも面倒・・・と思っていました.少し前にいいアイデアがうかびましたので実行し,とても便利に使っています.

キッチンラックの上部の棒2本に切り欠きを作ります.この切り欠きの下からワイングラスのフットをくぐらせて吊るす事ができるようになります.いったん吊るされると,多少の振動が加わっても落下しません.
切り欠きの長さは約5cmで,隣接する棒2本に隣り合わせて作ります.格子の間隔が広い場合は切り欠きが1つでもグラスのフットをくぐらせる事ができるでしょうが,2つあった方がくぐらせた後の移動の自由度が増え,多くのグラスを吊るすことができます.
内側の格子に切り欠きを作ることがミソで,そのためにはカナ鋸の刃を格子の間にくぐらせます.脱獄の時と同じ要領です(?). 個人で実施される分には自由です.ぜひ試してみて下さい.

(特許出願番号2013-106913,出願日1013年5月21日)
出願文書へのリンク:要約書,明細書,特許請求の範囲,図面
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他の家事関連の記事:ペットボトルハンガー ,パッシブな加湿器 ,コーヒーメーカーの修理

キッチンラックの上部の棒2本に切り欠きを作ります.この切り欠きの下からワイングラスのフットをくぐらせて吊るす事ができるようになります.いったん吊るされると,多少の振動が加わっても落下しません.
切り欠きの長さは約5cmで,隣接する棒2本に隣り合わせて作ります.格子の間隔が広い場合は切り欠きが1つでもグラスのフットをくぐらせる事ができるでしょうが,2つあった方がくぐらせた後の移動の自由度が増え,多くのグラスを吊るすことができます.
内側の格子に切り欠きを作ることがミソで,そのためにはカナ鋸の刃を格子の間にくぐらせます.脱獄の時と同じ要領です(?). 個人で実施される分には自由です.ぜひ試してみて下さい.

(特許出願番号2013-106913,出願日1013年5月21日)
出願文書へのリンク:要約書,明細書,特許請求の範囲,図面
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他の家事関連の記事:ペットボトルハンガー ,パッシブな加湿器 ,コーヒーメーカーの修理
市民は各党・各議員に護憲の誓約とそのための政党間共闘とを求めよう
選挙における統一戦線問題で共産党の志位報告を2つ前のエントリーで批判しましたが,コメント欄で他の党も問題だとの当然のご指摘がありました.当ブログは繰り返し共産党支持であると党派性を明確に,旗幟鮮明にしていますので,そのため特に志位報告を取り上げたということです.
党派性とは別に,もっと一般化した提案をしたいと思います.6月16日に福岡市で開かれる「6・16労働者・学生・市民連帯集会」*へのメッセージとして送ったものとほぼ同じです.
* ネット上に情報がないというのは全く困ったものです.
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党派性とは別に,もっと一般化した提案をしたいと思います.6月16日に福岡市で開かれる「6・16労働者・学生・市民連帯集会」*へのメッセージとして送ったものとほぼ同じです.
選挙の結果は今後の政治の展開に,特に改憲発議の可能性に決定的に影響します.現在のように護憲勢力がバラバラな状況は,各党(幹部)に市民の圧力を加えることで是正しなければなりません.可能性のある党派,議員個人に護憲の誓約を迫り,その上で同時に選挙共闘を迫る必要があります.選挙共闘や統一戦線の「可能性があるかどうか」を,政党幹部だけの判断に任せてはいけません.市民が必要性を判断し,各政党に「強制」するのです.
また,「九十六条改憲」は囮(red herring)かも知れません.これを引っ込めて油断させ,一気に九条改憲へ,という恐れがあります.
* ネット上に情報がないというのは全く困ったものです.
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共産党執行部は敗走を「転進」と呼んだ旧軍部に似る
昨日の共産党中央委員会総会の志位報告(→ウェブ版)をネット視聴し,短いコメントをフェイスブックに書き込みましたが,すこしまとまった文章にしたいと思います.表題はどぎついと思われるかも知れませんが,切羽詰まった筆者の憂慮を表現するにはこれしかありません.
原発即時ゼロやTPP阻止,アベノミクス*批判など,志位報告が述べた政策の基本にはもちろん賛同し評価します.しかし改憲阻止の戦略・戦術については全く賛同できません.国政選挙のレベルでは,以下に述べるようにこれは無策に等しいからです.全会一致で承認されてしまったのですが,どうしてそうなのか,出席者のただの一人にも疑問は生じなかったのでしょうか?
選挙闘争に関してもっぱら前面に押し出されて強調されるのは比例区の5議席確保であって,政党間の共闘,協力については,沖縄県を除けば全国的には「条件存在せず」のひとことで片付けられてしまっています.統一戦線の対象に関しては,志位報告が文字化された赤旗の紙面やウェブの見出しでは「無党派と日本共産党との共同――日本を変える新しい統一戦線をつくりあげよう」**とあり,他党は眼中にないという姿勢です.しかも近接した見出しには「いま日本に政党と呼べる政党は一つしか存在しない」(引用符付き)とあるのですから,もう決定的です.「存在しない」ものとの共闘はあり得ませんから.
しかし,はたして共産党の「5議席確保」だけで十分に改憲阻止の可能性をつかめるのでしょうか.そんなことはあり得ないし,もし志位氏がそう信じているとしたら,全く現実感覚を失くしていると言わざるをえないでしょう.本当に真剣に改憲阻止を考えるなら,政党間の共闘を考えなければならないはずです.たとえば社民党について言えば,憲法九条擁護の点はもとより,TPPでも原発でもほぼ政策は一致していると思われますが,なぜ共闘,協力の「条件がない」のか,あるいはその条件を作ろうとする努力にも値しないのか,説明も議論も全くありません.
憲法問題が重要争点の一つとなる選挙であり,しかもその改悪の危険性が決定的な程のレベルにあることから,憲法と並んで戦後民主主義の重要な財産であった教育基本法(以下教基法と略)改悪の事例に学ぶことは重要です.この改悪は「郵政選挙」で大勝利した小泉自民党の内閣(第3次小泉内閣)によって国会に提出され,それを引き継いだ第1次安倍内閣のもとで2006年12月に成立してしまいました.共産党はこれを阻止するべく闘いました.その闘い方についてはさておくとして,ここで問題にしたいのはその「総括」です.
成立直後の,年が明けて2007年1月の中央委員会総会(3中総)報告では,敗因分析(総括)もなくいきなり「たたかいは,これからが大切になります」で始まり,改悪教基法の「具体化の一つひとつが,競争主義,序列主義の教育の矛盾を深刻にし,破たんせざるをえないでしょう」と続きます.さらに,「全党の確信にすることが大切」なこととして,「国民が発揮したエネルギーの大きさ」,「日本共産党の果たした役割」の二点を挙げ,どちらにもポジティブな評価を与えています.まるで闘いに勝利したかのような言葉ばかりが続くのです.この貴重な財産を失った,少なくとも重篤に変質させられたという敗北の悔しささえも読み取れません.
この志位報告発表の直後の当ブログ記事で,このような総括とも呼べない総括について,敗北を「『転進』と粉飾しているように見えてしまう.九条が改悪された後も,やはりこのような『前向きの』総括をするのだろうか?」と書きました.今回の志位報告でその悪い予感は一層強まります.「元気のよい」「明るい」言葉で埋め尽くし,現実を直視せずに自らを欺いて破滅の道に突き進んだ旧軍部と重なって見えてしまうのです.
去る4月29日に久留米市で共産党の市田書記局長の講演がありました.この町で二番目に大きなホール(約1,200名収容)がほぼ満杯になり,成功裏に終わったと言うべきですが,政党間の共闘問題では上記の志位報告と全く同じでした.直接の質疑応答もあるかも知れないとわずかに期待し,その機会にはたとえどのように「空気」に逆らおうともこの問題を正面から提起しようと思いましたが,やはり講演だけで終わってしまいました.質問用紙が配られていたので,それに書いて提出したところ,市田氏本人から2日後の消印で葉書が届きました.国会内外の共闘は重視し尽力するが,選挙共闘は「憲法だけでなく,安保,原発,TPP,消費税など,国政の基本問題での一致と共闘の意思がないと,野合になってしまいます」と書かれていました.そして7中総で詳しく解明します,と結ばれていました.「解明」より「提案」を,と言いたいところですが,しかし志位報告では,上記のように,なぜ共闘できないかの「解明」もなかったということです.
共産党は,数は少ないものの政策面で野党として不可欠の位置にあり,その役割と責任は重大です.したがって党員や支持者でなくても,この党の動向には関心をもってしかるべきだと思いますし,注文を付けることが大事だと思います.知識人の役割も強調したいと思います.九条が重大な危機に瀕している今こそ,効果的な,核心を突いた,「役に立つ」発言をする責任があると思います.「九条の会」の知識人は,選挙の問題,政党間共闘の問題に踏み込んで発言すべきです.これまで「九条の会」は選挙にはノータッチという姿勢だったようですが,それではダメです.もちろんどれかの党派に肩入れするというのではなく,共闘を強く呼びかけるべきだということです.政党間共闘なしには改憲阻止の可能性は非常に小さくなると思います.
「国政の基本問題での一致」の条件を満たす党派の勢力は,現時点では数では少ないかも知れません.しかし共闘は「希望」という力を,そしてそれによる非線形効果を生み出すのです.「1+1は3にも5にもなる」という言葉で表現されるそれです.急いでこの「希望」に火をつけなければなりません.
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* 正しくは“アベコベノミクス”
** アンダーラインは引用者
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付録です.教基法改悪問題の時の当ブログ記事をいくつかリストします.
原発即時ゼロやTPP阻止,アベノミクス*批判など,志位報告が述べた政策の基本にはもちろん賛同し評価します.しかし改憲阻止の戦略・戦術については全く賛同できません.国政選挙のレベルでは,以下に述べるようにこれは無策に等しいからです.全会一致で承認されてしまったのですが,どうしてそうなのか,出席者のただの一人にも疑問は生じなかったのでしょうか?
選挙闘争に関してもっぱら前面に押し出されて強調されるのは比例区の5議席確保であって,政党間の共闘,協力については,沖縄県を除けば全国的には「条件存在せず」のひとことで片付けられてしまっています.統一戦線の対象に関しては,志位報告が文字化された赤旗の紙面やウェブの見出しでは「無党派と日本共産党との共同――日本を変える新しい統一戦線をつくりあげよう」**とあり,他党は眼中にないという姿勢です.しかも近接した見出しには「いま日本に政党と呼べる政党は一つしか存在しない」(引用符付き)とあるのですから,もう決定的です.「存在しない」ものとの共闘はあり得ませんから.
しかし,はたして共産党の「5議席確保」だけで十分に改憲阻止の可能性をつかめるのでしょうか.そんなことはあり得ないし,もし志位氏がそう信じているとしたら,全く現実感覚を失くしていると言わざるをえないでしょう.本当に真剣に改憲阻止を考えるなら,政党間の共闘を考えなければならないはずです.たとえば社民党について言えば,憲法九条擁護の点はもとより,TPPでも原発でもほぼ政策は一致していると思われますが,なぜ共闘,協力の「条件がない」のか,あるいはその条件を作ろうとする努力にも値しないのか,説明も議論も全くありません.
憲法問題が重要争点の一つとなる選挙であり,しかもその改悪の危険性が決定的な程のレベルにあることから,憲法と並んで戦後民主主義の重要な財産であった教育基本法(以下教基法と略)改悪の事例に学ぶことは重要です.この改悪は「郵政選挙」で大勝利した小泉自民党の内閣(第3次小泉内閣)によって国会に提出され,それを引き継いだ第1次安倍内閣のもとで2006年12月に成立してしまいました.共産党はこれを阻止するべく闘いました.その闘い方についてはさておくとして,ここで問題にしたいのはその「総括」です.
成立直後の,年が明けて2007年1月の中央委員会総会(3中総)報告では,敗因分析(総括)もなくいきなり「たたかいは,これからが大切になります」で始まり,改悪教基法の「具体化の一つひとつが,競争主義,序列主義の教育の矛盾を深刻にし,破たんせざるをえないでしょう」と続きます.さらに,「全党の確信にすることが大切」なこととして,「国民が発揮したエネルギーの大きさ」,「日本共産党の果たした役割」の二点を挙げ,どちらにもポジティブな評価を与えています.まるで闘いに勝利したかのような言葉ばかりが続くのです.この貴重な財産を失った,少なくとも重篤に変質させられたという敗北の悔しささえも読み取れません.
この志位報告発表の直後の当ブログ記事で,このような総括とも呼べない総括について,敗北を「『転進』と粉飾しているように見えてしまう.九条が改悪された後も,やはりこのような『前向きの』総括をするのだろうか?」と書きました.今回の志位報告でその悪い予感は一層強まります.「元気のよい」「明るい」言葉で埋め尽くし,現実を直視せずに自らを欺いて破滅の道に突き進んだ旧軍部と重なって見えてしまうのです.
去る4月29日に久留米市で共産党の市田書記局長の講演がありました.この町で二番目に大きなホール(約1,200名収容)がほぼ満杯になり,成功裏に終わったと言うべきですが,政党間の共闘問題では上記の志位報告と全く同じでした.直接の質疑応答もあるかも知れないとわずかに期待し,その機会にはたとえどのように「空気」に逆らおうともこの問題を正面から提起しようと思いましたが,やはり講演だけで終わってしまいました.質問用紙が配られていたので,それに書いて提出したところ,市田氏本人から2日後の消印で葉書が届きました.国会内外の共闘は重視し尽力するが,選挙共闘は「憲法だけでなく,安保,原発,TPP,消費税など,国政の基本問題での一致と共闘の意思がないと,野合になってしまいます」と書かれていました.そして7中総で詳しく解明します,と結ばれていました.「解明」より「提案」を,と言いたいところですが,しかし志位報告では,上記のように,なぜ共闘できないかの「解明」もなかったということです.
共産党は,数は少ないものの政策面で野党として不可欠の位置にあり,その役割と責任は重大です.したがって党員や支持者でなくても,この党の動向には関心をもってしかるべきだと思いますし,注文を付けることが大事だと思います.知識人の役割も強調したいと思います.九条が重大な危機に瀕している今こそ,効果的な,核心を突いた,「役に立つ」発言をする責任があると思います.「九条の会」の知識人は,選挙の問題,政党間共闘の問題に踏み込んで発言すべきです.これまで「九条の会」は選挙にはノータッチという姿勢だったようですが,それではダメです.もちろんどれかの党派に肩入れするというのではなく,共闘を強く呼びかけるべきだということです.政党間共闘なしには改憲阻止の可能性は非常に小さくなると思います.
「国政の基本問題での一致」の条件を満たす党派の勢力は,現時点では数では少ないかも知れません.しかし共闘は「希望」という力を,そしてそれによる非線形効果を生み出すのです.「1+1は3にも5にもなる」という言葉で表現されるそれです.急いでこの「希望」に火をつけなければなりません.
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* 正しくは“アベコベノミクス”
** アンダーラインは引用者
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付録です.教基法改悪問題の時の当ブログ記事をいくつかリストします.