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2012-08

福島県産の桃を測りました

DSC_2554w540m.jpg今月15日頃,久留米市内のスーパーで福島県産の桃が売られていたので,やはりどうしても測りたくなりました.結果は,少ないながらもやはり放射性セシウムが検出されました.

セシウム137: 3.5±1.3 Bq/kg
セシウム134: 2.3±0.8 Bq/kg
------------------------------------
セシウム合計:5.8±1.5 Bq/kg

昨年9月の24Bq/kgからは大幅に減ってはいますが,出ることは出ています.普通の測定では「検出限界以下」とか「不検出」と言われるところでしょう.なお,誤差は計数にともなう統計誤差のみで,これに検出効率の誤差10%程度が加わります.

DSC_3904ht.jpg今日の「しんぶん赤旗」には,「福島県 初の米袋検査」という記事があります.「すべて検出下限値(1キロ当たり11ベクレル)未満でした」として,生産者の「安全・安心が証明された」という言葉を紹介しています.

しかしこの検出下限値を見ても明かなように粗い測定であり,また基準値(100Bq/kg)というのもあくまで「がまん値」であって「安全値」ではないのです.ちなみに,ウクライナは品目ごとにこまかく基準値を決めていて,日本の米に相当する主食のパンは20Bq/kgと,わが国の5分の1です.「安全」というのは自然放射能のレベルになって始めて言えることでしょう.赤旗の楽観報道はいただけません.foodreg.gif
上の表は次から転載しました:豊島耕一「食品の放射能汚染から健康を守る」,タウン情報saga+people,2012年6月号.

原子力基本法への「安全保障目的」挿入を佐大物理が批判

原子力基本法に「安全保障」の目的を入れるという改正(改悪)が,こっそりと,ほとんど誰も気付かないままに行われました.これに関して,私の所属学科(専攻)が反応しました.佐賀大学・理工・物理学専攻教員一同による「安全保障目的」を削除するよう求める声明文が,本日,総理大臣と衆参両院議長宛に学科から送られました.佐賀県庁の記者クラブにも届けました.

この声明文では触れていませんが,改正されなかった部分にも問題があります.第一条には「原子力の研究、開発及び利用を推進することによつて、将来におけるエネルギー資源を確保し」とあります.つまりこの法律は原発推進目的のものだったのですが,その部分は全く手つかずです.原発維持・推進か脱原発かの今日の国民的議論を無視するのものです.

なお,この件に関してはAERA最新号(8/27号)に,姜尚中氏が連載「愛の作法」で批判的に取り上げていました.彼の大学・学部・学科でもぜひ行動を起こしてほしいものです.私の所属学部の教授会でも夏休み前から継続審議中です.

送付された声明の全文を転載します.

改正された原子力基本法から「安全保障」の語の削除を求める

政府は,原子力基本法の第二条(基本方針)に「安全保障」という目的を付け加えるという改正を行った.法律の中で使われる「安全保障」という言葉は,外交政策だけでなく防衛政策をも含み,軍事的な意味も排除されない.すなわち,原子力の研究・開発・利用に「安全保障」目的が加わることは,核兵器開発も含まれるものと受け止められかねない.このような解釈の余地を残すことは,同じ第二条の第一項にある「平和の目的に限」るというわが国のこれまで原子力政策の基本と矛盾する.

核兵器開発の歯止めを外すことにつながりかねない今回の改正は,核兵器の廃絶という国民大多数の願いにも反する.核兵器は科学技術の悪用の最たるものである.これが物理学者たちによってこの世に生み出されたため,わが国の物理学の優れた先達たちも,「湯川・朝永宣言」など核兵器廃絶のための努力を行ったが,その目的は未だに達成されていない.よって我々は,同じ学問分野の教育と研究に携わる者としてこの努力を受け継ぐべく,今回の改正を元に戻し,第二条から「安全保障」の語を削除することを政府と国会に求めるものである.

2012年8月23日
   佐賀大学工学系研究科物理科学専攻教員一同
      連絡先:米山博志(専攻長)
  住所 840-8502 佐賀市本庄町1, 電話 0952-28-8544,ファクス 8547

国会包囲の際の逮捕者に対する「赤旗」の無視

もう2週間も前の話になるが,7月29日の国会包囲の際,2名が警察に逮捕された.幸い31日には釈放されたが,これへの対応をめぐって主催者の反原連が逮捕された人たちに対して冷淡ではなかったかと批判された.しかし「冷淡」という点では,このイベントへの,そして毎週金曜の官邸前集会への参加を毎回「しんぶん赤旗」で奨励している共産党も,残念なことに冷淡以下の扱いであった.というのは,今日に至るまで,逮捕者が出たことすら全く紙面で報道していないのである.

不思議に思って,8月1日前後だったと思うが,共産党に直接電話してみた.そうすると,国会に侵入しようとしていたので逮捕されたのではないかとか,「ニセ左翼」の人たちらしいから扱わないのだという.国会侵入という話は聞かないし,人を所属団体で(しかも想像だけで)差別扱いするのは全く道理に合わない.およそ公に説明・釈明できないような「理屈」で情報コントロールするのは報道の役割を放棄している —もし赤旗が単なる党のプロパガンダ機関だけでないとすれば— というような反論をした.「少し調べてみる」というような返事を受け取って話は終わった.

共産党に限らないが,70年前後に「内ゲバ」などに関係した経歴のある団体については,運動圏の中に強い拒否反応があり,それは理由のないことではない.特定の個人に対しては「あの人はxx系だ」とか,団体に対しては「yy会の実態はzz派」だというような「耳打ち」が行われることもある.非公式の情報交換は自由だが,それが運動圏における個人・団体の選別に関係してくると重大な問題が起きる.私自身,あるグループの人たちとのつながりのことで「排除」の圧力を受けたことがある.これまでの人生で「差別を受ける」という経験は全くなかったのだが,このとき初めて差別されることとはどういうことかが分かった気がする.「運動圏における差別」である.運動圏といえどもそこにいる人にとっては「実生活」である.

個人であれ団体であれ,(程度問題ではあるが)過去の来歴を問題にすればキリがないし,運動参加者の間での情報や認識の共有は不可能である.さもなければ「事情通」の耳打ちが支配すると言うおかしな状況になってしまう.要するに,誰でも検証可能な「現在の,実際の言動と行動」だけを基準にするべきなのだ.
29日の逮捕の件にもどれば,この2人が当日現場で実際に何をしたのかだけが問題で,それが不明な間は,しかも警察に拘束されて本人から話も聞けない状況では,何重にも「推定無罪」の原則を肝に銘じるべきである.弾圧と闘って来た歴史を持つ共産党であればなおさらのことだ.

類似記事:
「麻生邸見学ツアー逮捕事件についてのしんぶん赤旗の沈黙」
「ニーメラーの詩」の書き出しは「共産主義者」でなくてもいい(2)

花火の超3D,ちょっとましなのが

かなり立体感のあるのが見つかりました.画面に収まるよう縮小していますので,ドラッグ→保存して,眼球のコントロールが利く限り拡大し,高解像度でお楽しみ下さい.平行法(右目で右の写真,左目で左)です.
DSC_3671+3261.jpg
左目用オリジナル:http://ad9.org/image/photo/DSC_3671r.jpg
右目用オリジナル:http://ad9.org/image/photo/DSC_3260r.jpg



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