小説「ジェノサイド」

南アフリカの人種隔離政策批判が,これも見事なエンターテインメント作品「遠い夜明け」という映画で1987年に製作・公開されたが,そのわずか7年後に,この抑圧体制が27年間も獄舎に繋いでいたネルソン・マンデラが大統領に就任した.
アメリカの世界支配体制の徹底的な批判をエンターテインメントにしたこの作品が映画化され,それがこの体制を揺るがせるきっかけになればと思わずにはいられない.
イラク戦争や国名は実名で出るが,アメリカ政府の閣僚は変名にされている.しかし大統領と副大統領の二人は,イニシャルが同じなのは恐らく意図的だろう.
現実 小説国防長官は,現実のラムズフェルドが小説ではラティマーという名前.日本語のカタカナでは同じでもアルファベットにするとRとLで違うようだ.また,チェンバレン副大統領(現実のチェイニー)の小説中での運命にご注目を.
ジョージ・ブッシュ大統領 →バーンズ
リチャード・チェイニー副大統領 →チェンバレン
以下に引用する一節がこの小説の骨太さを代表している.最後にあるアイゼンハワーの有名な「軍産複合体演説」の全訳は次に置いています.
http://ad9.org/pegasus/kb/EisenhowerAddress.html
(関連記事 http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2009-01-22 )