2010-10

アイゼンハワー大統領が指摘したもう一つの「脅威」

西日本の10月28日の「文化」欄に,辺見庸の「キノコ雲とバラード 映画よりブラックないま」という文章があった.随時掲載の「水の透視画法」というシリーズである.スタンリー・キューブリックの映画「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」をとりあげ,これと最近のオバマ政権として初めて実施した臨界前核実験とを結びつけて,「オバマはいかにして心配するのを止めて核兵器を愛するようになったか」と皮肉っている.さらにはこれに「理解」を示す仙石官房長官の発言をとらえて,「日本はもはや戦争と核をテーマとしたいま風ブラック・コメディーの哀れな端役にすぎない」とも.そして,アメリカだけでなく,「中国もロシアも国家構造が日に日にグロテスクな軍産複合体化しつつある」と警告している.

「軍産複合体」という言葉は,アイゼンハワー大統領の離任演説(関連記事)で有名になった言葉だが,彼は,「新たな種類ないし度合いの脅威」として軍産複合体と並んでもう一つの脅威を指摘している.それは,科学技術エリートによる支配である.
私たちは科学研究と発見を当然敬意を持って扱いますが,しかしその際に,公共の政策それ自体が科学技術エリートの虜となるかもしれないという逆の同等の危険性もまた警戒しなければなりません.

臨界前核実験にしても,軍産複合体のなせるわざというだけでなく,それを計画し実施する科学者・技術者たちがその「必要性」の理屈も同時に製造し,売り込んでいるのではないか.このような状況はわが国でもいくつも見られると思う.古くは原子力船「むつ」に,そして今は「プルサーマル」や「もんじゅ」に.
アイゼンハワー大統領の離任演説(対訳)

福岡でのアフロポップのコンサート -- ベンダ・ビリリ

先週土曜の朝,カーラジオからNHK-FMのピーター・バラカンの番組が流れていた.アフロ・ポップのサウンドが流れるので,この番組では珍しいな,と思ったが,このバンドが福岡でまもなくコンサートをするという.私が知らないだけかもしれなが,福岡でアフロ・ポップが聞けるのは滅多にないと思って,早速ネットでチケットを予約した.それで昨日がそのコンサートだった.バンドの名前はベンダ・ビリリ,コンゴの首都キンシャサのストリートで演奏していたのを「発見」され,ヨーロッパでデビューしたらしい.
 →コンサート日程
会場の「アクロス」の大きなコンサートホールの席は結構埋まっていて,福岡にもこれだけアフロ音楽の愛好者がいたのかと感心した.

あの独特のアフロサウンドとリズム,そして黒人独特のヴォーカルがホールに充満する.ロック同様,アフロ音楽も身体中の筋肉と骨を共鳴させながら,いわば体で聴くものだ.どうしても体が揺れる.隣に座っている若い女性はいかにも気持ちよく体をスイングさせながら聴いている.でもほとんどの人は行儀良く不動の姿勢.それで自分もあまり目立たないようにと,控えめにするが,これはややストレスだ.でも隣の女性はすでに席を立って通路で踊っている.

そのうち,最前列に座った一人が立ち上がって激しくダンスを始める.そして後ろを振り返って観客に「一緒に!」と促す.そうすると前の方から徐々に皆が立ち上がって,体をスイングさせる.その波がほとんど私の席まで届こうとするとき,私も立ち上がって,晴れて気兼ねなく体を動かせることになった.

なお,このバンドの日本ツアーは16日の長野と,17日の東京・三鷹の2日を残すだけになっています.
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この日の記事としては,やはりチリ鉱山労働者全員救出のお祝いを書いておかなければなりません.テレビに映った人だけでなく,このすばらしい作戦を練り上げた人,「フェニックス」を設計し,作った人,などなど.チリワインも買いましょう.

共産党はもっと組織の民主化が必要

共産党第2回中央委員会総会の文書を読んで ― その1

共産党の第2回中央委員会総会の文書を読んでみた.先の参院選での同党の深刻な後退を受けて,そうとう根本的な総括が期待された会議だ.感想としては,もっと包括的で,今までの同党の流れからすると「破天荒」と言えるほどの議論を期待したが,残念ながらそこまで行っていない.もちろん各論において様々の改善点が提起され,それはそれで有意義・有効なものだと思う.その意味で,この長大すぎるような志位報告・結語だが,党員や支持者には十分に読むに値する文書だろう.特に驚いたのは,上部機関が下部に成果を「日報」で,しかも数字中心で報告させていたという事実だ.硬直した官僚主義の見本という印象を受けるが,このようなおかしなことが当事者の意見交換だけでは改善されず,「中央委員会総会」という大がかりな仕掛けが必要だったということ自体が,官僚的硬直性の反映かも知れない.

以下は期待はずれだった点を挙げてみる.実は当ブログでは,これまで何回となく同党のことを議論してきた(検索窓に「共産党」を入力されたい).その議論の繰り返しも多い.

(1)まず何よりも,この会議自体の公開性,透明性が欠けている.
発表されるのは幹部(志位委員長)の発言のみで,会議の主体である中央委員の発言は,彼による「間接話法」でしか知ることが出来ない.ネット中継も幹部の発言に限られているようだ.また,この会議のために党内外から多くの意見が寄せられたというが,その内容も非公開である.「意見」というのは,それを提出する母集団のメンバーで共有されて初めて「意見」となる.そうでなければ封建時代の「目安箱」への投入と何ら変わらない.

(2)執行部の「責任問題」が議論された形跡が全くない.
路線や政策上の誤りを犯したという「責任」ではないが,志位報告自身が認めるように,党の後退には幹部の責任が大きい.つまり十分に有能ではなかった,有能な働きが出来なかった,という責任である.そうすると当然のこととして,人事に絡む責任問題が議論されてしかるべきだ.志位氏ら現在の幹部以上にもっと有能な人材が,あるいは国民に魅力的な人材が党内には一人もいない,ということは証明されていない.このような,他の政党では当然議論になるようなことが,共産党では全く議論にならない.これは一般国民にはとても奇妙に見えるだろう.

(3)中央委員会のメンバーの選ばれ方
 (「続き」で他にも多くの問題点を挙げる予定だが)このように中央委員会の議論がなかなか従来の枠をはみ出せない根本の原因は,中央委員会メンバーの選ばれ方そのものにあるのではないか.メンバーのほとんどは,県の役員や議員など,党活動や政治活動で生計を立てている「プロ」が圧倒的なのではないか.これでは党員の圧倒的多数を占めるノンプロのメンバーの意見や感覚を反映させることは困難だろう.なによりも国民の「皮膚感覚」を最も正直に反映しやすい集団はこれらの人々をおいて他にない.
 選出方法も,これは党大会で選ばれるのだが,おそらく,代議員にとって(自分の地元の県委員長など以外)ほとんど何処の誰かも知らないような名簿を「一括承認」という形で(もちろん形式的には個人別に○×)決められているのではないか.(同党の役員名簿にも肩書きは一切ない.)
 頻繁に党の意見を集約する機関として中央委員会の役割は極めて大きく,このメンバーがどの程度民主的に選ばれるかは,同党の柔軟性,応答性に大きく影響するだろう.一般の党員が自由に立候補できるようになっているかどうか,これは決定的に重要な要素だろう.(なお,「准中央委員」の選出のしかたが不明である.規約20条4項を見ると,中央委員会が決められるようにも読める.)

・・・・ 今日のところはこのあたりまでにします.続きはできれば数日中に.とりあえず関連する過去記事からいくつかのフレーズを挙げておきます.

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劉暁波氏の釈放を求める国際署名

劉暁波氏のノーベル平和賞受賞のニュースが流れた.私としては他に授賞して欲しい人がいたけれども,劉氏もこの賞にあたいする立派な人だと思う.
彼の釈放を求める国際署名が行われている.ヤメ蚊さんが紹介している.
2010年ノーベル平和賞受賞者・劉暁波さんを解放させよう!~署名活動にご協力を!

→ 署名サイト:Free Liu Xiaobo

開始後数ヶ月にもなるのに,まだわずか2千名そこそこだ.ノーベル賞受賞を機に一気に増えるだろう.隣国の住人としても負けないシェアを占めたいものだ.私も署名したが,2,389人目だった.

当ブログの劉暁波氏関連記事:
中国の民主活動家弾圧に批判を
発行されたばかりの劉暁波氏の本

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はたして、911 は本当にテロだったのか。ZERO は、原版(イタリア語)の制作(2007年)以来、ローマ国際映画祭(2007年10月)、ブリュッセルEU議会場(2008年 2月)、ロシア国営放送(2008年9月)で上映された、対テロ戦争の原点を鋭くえぐる長編ドキュメンタリー。

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