2009-05

「宇宙基本計画案」に対するパブリックコメント

10日の記事で,宇宙基本計画案に対するパブリックコメントのことを書きました(花の写真の下です).私も,宇宙の軍事利用の一点だけに絞って文章をまとめて見ました.明日中に間に合うように提出するつもりです.

相当長大な文書であるにもかかわらず,募集期間が4月28日~5月18日のわずか3週間弱というひどいもので,アリバイ作りとしか思えません.しかし出来るだけ反応すべきだと思います.次のサイトに問題の文書があります.

首相官邸,「宇宙基本計画(案)」意見募集のページ
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pc/090428/090428pc.html

今からではじっくり検討する暇はないと思いますが,でも斜め読みで十分と思います.そのため,パソコンで語句検索しやすいように,改行にともなう空白文字を削除したファイルを作りました.特定のキーワードの出現頻度を調べるだけでもこの文書の性格が分かります.
http://ad9.org/p9net/keikakuan-noCR.doc

この案をまとめた会議の座長は,社会・経済・外交の問題でTVでよく発言する寺島実郎氏です.有名人では漫画家の松本零士氏も.
「宇宙基本計画(案)」に対する意見

 この計画案の作成者は,現在の宇宙における軍拡という問題に対する危機感はもちろん,それへの関心さえも持たないように見える.これは,この計画案の環境問題に対する態度ときわめて対照的である.すなわち,「環境問題」というキーワードは15回使われているが,前者(宇宙軍拡問題)に関係したキーワード,すなわち,「軍備,軍事,軍縮,ミサイル防衛,軍拡,攻撃」のどの言葉も一回も出現しない.

 では,地球環境問題とは違って,宇宙の軍事利用は低下しており,憂慮すべき状態ではないとでもいうのだろうか.もちろんこれにイエスと答える人は,この案の作成者の中にもいないであろう.

 それではこの案の筆者は宇宙の軍事利用の問題をどう考え,どう対応しているのだろうか.それは,第三章E項(20ページ)の「安全保障を目的とした衛星システム」の,「早期警戒機能のためのセンサの研究等、安全保障目的での新たな宇宙開発利用を推進することを目標とする」という記述に示されている.すなわち,宇宙軍拡を防ぐ,止めさせるために努力するのではなく,自らもこの宇宙軍拡に参入するという態度でこれに応えているのである.

 「弾道ミサイルの発射を探知する」(27ページ)ため,すなわち“情報収集のためだから軍事利用ではない”などという理屈は成り立たない.とりわけ最近の動きを見れば,このようにして得られる情報が,すでに配備されているSM3やPAC3などの「ミサイル防衛」のための「眼」となるであろうことは明らかである.SM3やPAC3がロケット技術の「軍事利用」であることはだれも否定できない.同様に,その眼となる「早期警戒」衛星もまた,宇宙の,つまり衛星技術の「軍事利用」であることは明らかである.したがって,このような計画を含む今回の案は,憲法九条に違反するものと言わなければならない.

 以上,この案の持つ,宇宙の軍事利用という危険な側面についてだけ分析した.その結果以上のようにきわめて重大な問題を含むことを認めた.よってこの案に反対するものである.


サガテレビが連続してプルサーマル問題を取り上げる

日本での初めてのプルサーマル(プルトニウム燃料を通常の原子炉で使う)が,玄海原発で始まるかも知れません.そのための燃料(金属酸化物Metal OXideを略してMOX燃料という)がフランスから5月中にも到着しようとしています.

このような状況を受けて,地元のテレビ局が連続4回でこの問題を取り上げています.サガテレビの「STSスーパーニュース」の中の18:17~19:00の時間帯です.

第一回の12日夕方の番組では,玄海原発の設置から現在までを概観し,エネルギー源としての原発の是非について,二人の大学教員の対立する意見を提示するものでした.明日からプルサーマルそのものに焦点が合わせられていくと思われます.

サガテレビのチャンネルと送信所のリストです.
http://www.sagatv.co.jp/kigyo/bctc/3ch_kgo_bctc.htm

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当ブログの原発・プルサーマル関連の記事を列挙します.1401577.gif13日午後数件追加しました.

「海を汚した再処理工場」--朝日の記事から思い出しました
六カ所事業所からの放射能による集団線量(グリーンピース報告書)
映画『六ヶ所村ラプソディー』
どうやら原子炉の冷却水が漏れたようだ
高レベル放射性廃棄物処分問題での地震学者の発言
1994年の「週刊プレイボーイ」原発関連記事を全面転載
12年前の「週刊プレイボーイ」記事--原発銀座で悪性リンパ腫多発
伊方プルサーマルシンポのスライド
伊方町でのプルサーマルシンポ その2
伊方町で開かれた経産省主催の「プルサーマルシンポジウム」に参加
“STOP!再処理ネットワーキング”に参加します.
再処理工場からの放射能放出
再処理で放出されるクリプトン85について
プルサーマル問題の要点整理
青森県産の米やニンニク等から放射線が出ると青森県が公認
プルサーマル問題で佐賀県主催の討論会開かれる
九州の小さな町の議会が原子力問題の最前線に
プルサーマル公開討論会の詳報が佐賀新聞に掲載
プルサーマル公開討論会での発言
プルサーマル公開討論会でのスライドを掲示
九州電力主催のプルサーマル問題公開討論会に出席

佐賀新聞のインタビュー記事

佐賀新聞,2009年5月2日の記事を,同社の許可を得て転載します.紙面では22ページにあります.

揺らぎの中で(下)▼佐賀大理工学部教授・豊島耕一さん

国民保護

「有事」演出 見抜く目を


 □北朝鮮のミサイル発射問題で、日本政府の対応をどう見たか。

 ■非常に一面的で一方的。過度な緊張感をあおり、まるで戦後初の「空襲警報」だった。破壊措置命令に基づきPAC3(地対空誘導弾パトリオット)が東北地方に配備されたが、日本海から太平洋までの軌道をカバーする態勢ではなく、有事を演出するショーに見えた。発射を思いとどまらせるため関係国に使節団を送るなど、積極的な外交努力は見て取れなかった。北部九州へのPAC3配備を含め、ミサイル防衛(MD)システムの普及に向けた宣伝に利用したようにみえる。
 □こうした事態には、どう対処すべきと考えるか。

 ■弾頭が付いておらず、落下する破片が対象なら「防災」として対処すべきだろう。宇宙からの落下物をめぐる対応と何ら変わらず、いたずらに「迎撃」という軍事用語を使うべきではない。市民も冷静に対応すべきだ。政府としては、発射回避に向けて外交努力を優先しなければならない。ただ、「やめろ」というだけでは説得力がない。核兵器開発を目指す国がこうした実験をするのは脅威で、歯止めをかけなければならないが、北朝鮮側も在日米軍が保有する巡航ミサイルなどを脅威に感じているだろう。日米サイドも、軍備縮小など緊張を和らげる材料を示しながら交渉する姿勢が重要だ。

 □国民保護法の制定など、有事を想定して、国が市民を管理しようとする動きが強まっているとされる。

 ■法の名称は「保護」となっているが、戦争準備や軍備増強のための「心理的な動員」を促す側面があると思う。有事を演出し、緊張をあおるような政策と一体的なものと考えている。市民は巧みにコントロールされかねない。国民保護法が適用されるような場面では、どういう勢力が何を目指しているのか、よく見極めないといけない。

 □憲法九条を含む改憲論議の行方は。

 ■憲法改正手続きを定めた国民投票法が二〇一〇年に施行される。準備は着々と進んでいるようだが、今回のような発射実験が繰り返されれば、敵地攻撃能力さえ容認するような改憲派が増えることが考えられる。それでなくても、自衛隊の活動域は世界各地に広がってきており,不測の事態が起きれば、「現行憲法の制約」をあげつらって九条が狙い撃ちされる恐れがある。ソマリア沖の海賊対策など小刻みに「慣れ」が重なり、改憲の動きが出てきたら速いかもしれない。このような風潮に安易に流されず、多様な政治的な見方や立場を踏まえながら、一人ひとりが平和憲法の理念を真剣に考える必要がある。

 □オバマ米大統領のプラハでの核廃絶演説をどう受け止めたか。

 ■画期的だった。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を目指すなど具体策を打ち出しており、政策の一大転換だと感じた。ただ、彼一人で成し遂げられるものではなく、軍事産業からは圧力もかかるだろう。孤立しないように、核廃絶運動を進めてきた市民団体の責務は重くなる。被爆国である日本の政府はこの問題で、米国のサポート役にとどまらず、リードしていかなければならない。

最近見た映画・・『グラン・トリノ』ほか

クリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』はとてもいい作品だ.ストーリーはむしろ単純だが,作りがとても丁寧で,2時間完全にイーストウッドの世界に引き込まれる.民族・人種問題など多様な社会的現実が豊富に織り込まれていて,含蓄が深い.しかしこの映画のコアをなすのは戦争と暴力の問題だと見る.(ただし戦争のシーンが一コマでも出てくるわけではない.)

朝鮮戦争に従軍経験のある老人コワルスキ(イーストウッド)は,年寄りの冷や水どころかマッチョそのものに地域のゴロツキたちと渡り合う.しかし彼は戦争で無抵抗の相手を殺害したという深い心の傷を負っている.その彼が悪ガキたちと「体を張って」戦う最後のやりかたとは何か?

世界中で傲慢な力の支配を続けるアメリカ帝国の市民が,この映画からどこまでその深いメッセージ性を読み取るだろうか?

フランスのアルジェリア戦争を描いた「いのちの戦場--アルジェリア1959--」も優れた映画だ.なぜ今頃アルジェリア戦争か,と思われるかも知れないが,今もアメリカを中心とする帝国主義的な戦争が絶えないどころか,いっそうひどくなっている状況が監督の頭にあることは間違いない.公式サイトに「フランス版プラトーン」とある.

ハリウッド映画に戻るが,トム・クルーズ主演の「ワルキューレ」は二時間息もつかせない.ヒトラー暗殺計画のことは聞いていたが,これほど組織的で,しかも成功寸前まで行ったものだったとは知らなかった.反乱者は殺されたが,ドイツに偉大なる誇りという遺産を残した.ドイツだけでなく世界に.

映画の公式HPないし関連サイト

グラン・トリノ
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/#/top

いのちの戦場--アルジェリア1959--
http://www.1959.jp/

ワルキューレ
http://blog.goo.ne.jp/ryouta0520555/e/d9c20756447e6b2b4abd4e84454f9753

ソウル会議報告紹介,さらに4本追加

ソウル会議報告の続きです.次の4つの発表の要旨を追加しました.1割から6割程度の抜粋要約です.表題をクリックして下さい.これは6日の福岡での報告会のための私的なメモで,あまりきちんとしたものではありません.原文は英文表題をクリックして下さい.
基調報告の日本語訳や日本からの参加者の発表は,「核と防衛ミサイルにNo!キャンペーン」第2ホームページに掲載されています.

ミサイル防衛,軍備競争と北東アジアの将来
Missile Defence and the Korean Peninsula - What is the Problem?
by Cheon Wooksik (Rep. of Peace Network) ,p.86

スカンジナビアと宇宙戦争
Scandinavia and space warfare
by Agneta Nordberg, Sweden (p.103)

イギリスにおける米軍事基地帝国のコスト
What's going on in the UK concerning Missile Defense?
by Lindis Percy(p.109)

ピョンテクにおける基地反対闘争
The Korean Anti-Base Peace Movement, Focused on Pyeongtaek
by Kang Sang-Won(p153)

(著者名の後の数字は,発表全文を前もって収録し当日配布された冊子でのページ数です.)

ミサイル防衛反対ソウル国際会議,チェコの事例

先々週のソウルでの国際会議の続編です.
19日の記事でも触れましたが,やはりなんと言っても運動が成功した事例であるチェコの報告を詳しく紹介します.当日のスピーチの全文が,写真やビデオ付きでGNのウェブサイトにありますので,英語に強い方はそれをごらんになって下さい.
http://www.space4peace.org/actions/gnconf_09/nonviolent%20resistance%20in%20czech%20republic.htm

以下は,その,約9割ほどの,粗い訳です.なお,連休最終日の6日,福岡で報告会をします.詳しくは九州ネットワークのブログをご覧下さい.
photo.jpg緊急報告会のお知らせ   案内フライヤー(1メガバイト) → http://stop-pac3.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/04/post_71ad.html

The People’s Nonviolent Resistance against MD in the Czech Republic and European Solidarity Movement

チェコ共和国におけるMD反対の市民による非暴力抵抗とヨーロッパの連帯した運動

(Anna Polo (Italy), Europe for Peace)

全文を表示 »

独週刊誌「シュピーゲル」が日の丸・君が代問題で記事

3月29日付けの独週刊誌DER SPIEGELが日の丸・君が代問題を取り上げました.ドイツ語に強い人が訳しましたので,紹介します.

オリジナル:
http://www.spiegel.de/schulspiegel/ausland/0,1518,druck-615937,00.html

日本の教師は国歌を歌わなければならない

愛国心は、日本においては教師の義務である。国旗掲揚の際、国歌斉唱を拒否すると、教師は厳罰に処せられる。「それは妥当である」との判決が東京で出された。しかし教師達は判決を不服として上告する。

「教師と生徒達は今後とも国旗掲揚の際起立し、国歌を斉唱しなくてはならない」と言う判決が木曜日、東京地裁で出された。一部の教師が国歌斉唱を拒否し、処罰された事を不服として、損害賠償を求めていた。

国家の象徴に対して、日本国内の態度は分かれる。白地に赤い太陽の日本の旗は、国歌と同様、第二次世界大戦中に使用され、アジアの他の国々では、日本軍国主義の象徴と見なされている。10世紀に出来た国歌君が代は、国内でも議論がある。「日本国天皇を賛美する歌は、民族主義を褒めたたえるものだ」と国歌に反対する人達は言う。その歌詞は、以下のようなものである。

 支配者よ、あなたの統治が
 千年、八千年、
 小石が岩となり、
 その岩が苔で覆われるまで続きますように。

1999年になって初めて、日の丸と君が代が、国家の象徴として再び公式に認められた。東京での愛国心の強制は、2003年の通達にさかのぼる。当時、日本の首都の教育委員会は、生徒と教師に対して、全ての公式行事の際、国歌斉唱と国旗掲揚を義務づけた。それ以来、多くの教師達が愛国心を義務として示す事に反発し、その事を何度も法廷に持ち込む人達もいた。

一人が通達違反すると、みんなが集団教育を受けなくてはならない。

朝礼で国歌斉唱を拒否した教師に対する処罰は、厳しいものだった。「国歌斉唱の際、着席したままだったと言う理由で、全部で410人の教師が訓告を受けた」と日刊紙tazは報道した。最長六ヶ月間、10%の減給処分を受けた教師もいた。11人の教師は、最長半年間の停職処分を受けた。生徒や教師のうち一人でも国家を歌わない者がいれば、全員が集団教育を受ける事を義務づけられた。

この処分に対して合計172人の教師が提訴していた。「国旗に対して強制的に支持表明させる事は、日本国憲法に定められた言論の自由に抵触する」という理由である。日刊紙New York Timesによれば、教師達は一人当たり55万円、4400ユーロの損害賠償を求めていた。

しかし東京地裁のナカニシシゲル裁判長は、訴えを却下した。「教育委員会の指示は憲法に抵触するものではない」とした。「学校現場では、集団での儀式を通して、統一性と共同体意識を作る事が重要である」とナカニシ裁判長はその判決文に記した。その上で、「処分は適当だった」とした。

教師達は、訴訟を最高裁まで持ち込む構えである。原告団の一人、コンドウトオル先生は、「判決は明らかに不当」とし、上告する決意を述べた。コンドウ先生はNew York Times紙に対し、「我々は最後まで戦い抜き、日本の学校制度に自由と民主主義を取り戻す覚悟である」と語った。

アライヒロコ先生は、君が代斉唱を拒否して一時的に停職処分を受けたのだが、ある通信社に次のように述べた。「ただ結果を恐れてそのような指示に従うと言うのは、私が生徒達に教えたい逆の事なのです。」

海賊問題ではなく「国際紛争」

ソウル集会の続報を書こうと思ったが,その前に緊急の優先テーマに触れておかないといけない.

「海賊対策」という言葉に騙されて,またまた九条の「実質改憲」の重大な一歩が見過ごされようとしている.野党のはずの民主党は,「何でも反対」ならぬ「何でも対案」とでも言うように,またまた「対案」という形でこの動きに協力しそうである.(民主党のこのような傾向については,当ブログの記事「民主党の対案病」をご覧下さい.)

この問題では自由法曹団の一連の意見書や声明文が要点を突いている.ポイントの一つは,ソマリア沖の件は海賊問題などではなく,「国際紛争」であるという指摘だ. 大脇道場さん秘書課・村野瀬玲奈さんところでこの文書を見たのだが,早速このブログにも転載する.改良点は,引用された,同団体が直前に出した2つの文書に本文中でリンクを付けたことだ.

連休とそれを前後して,大規模な集会やデモが必要だ.マスコミがこの問題を大きく取り上げざるを得ないような状況を作らなければならない.
(本記事のオリジナルサイトでの掲載は4月26日)

-------以下,自由法曹団の声明を転載-------

衆議院での海賊対処法案強行採決に抗議し、廃案とソマリア派兵中止を求める声明
http://www.jlaf.jp/jlaf_file/090423kaizokuhouansaiketu-kougiseimei.pdf

1 本日、「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」案(海賊対処法案)が、衆議院において強行採決された。
 法案が国会に提出されたのは3月14日であり、政府が「さざなみ」「さみだれ」の2隻の護衛艦をソマリアに派遣したその日であった。本日の強行採決は、それから、わずか1ヶ月強しか経過しておらず、法案審議の期間は1週間という拙速審議であった。

2 法案は、海賊対処を口実に、自衛隊の恒常的な海外派兵を認めようとするものである。
 自由法曹団は、意見書「警察活動を口実にした海外派兵・武力の行使 ソマリア沖派兵と海賊対処法案に反対する」(4月9日付)、緊急意見書「『修正』で問題は解決しないーソマリア沖派兵の中止と対処法案の廃案を求める」(4月21日付)を発表して、法案の問題点を指摘し、廃案を求めてきた。
2つの意見書で指摘しているとおり、ソマリア沖の事態は「国際紛争」であり、護衛艦の武力行使は日本国憲法を蹂躙するものである。また、海賊問題の解決はソマリアの政治経済の再建と治安の回復以外に道はなく、そのための協力こそ求められている。

 また、法案は、
(1) 利権擁護と海の治安維持を公然と掲げた法案であること
(2) 対象船舶に限定がなく、どのような共同作戦も可能であること
(3) 「逃走」や「抵抗」に対する危害射撃や、停船命令違反に対する船舶射撃を認め、先制攻撃に道を開くものであること
(4) 国会の承認を要さず、緊急の場合には内閣総理大臣の承認も得ない防衛大臣単独の判断での派兵を可能としていることなど、軍事突出が露骨なものである。

 これらは、「国権の最高機関」であり、「唯一の立法機関」である国会において、十二分に審議され、解明されねばならない問題である。にもかかわらず、政府・与党は、4月14日の衆議院本会議での代表質問からわずか1週間、4回の委員会審議のみで採決を強行した。野党第一党の民主党は、徹底した審議によって法案の問題点や危険性を明らかにすべきにもかかわらず、本質をなんら変えない「修正」を持ち出し、「修正」協議による早期収拾をはかろうとした。
いずれも、議会制民主主義を踏みにじる暴挙というほかはない。

3 ソマリア沖に派兵された2隻の護衛艦は、すでに3度にわたって不審船と対峙し威嚇行動を行っている。3度とも保護の対象としたのは日本関係船舶ではなく、海上警備行動では対処ができない船である。防衛省は、船員法第14条を根拠に上記護衛艦の行動を正当化するが、同条は異常気象による遭難船舶等の救助規定であり、紛争海域における軍用艦の救援行動を合法化するものではない。最新鋭の装備を備えた護衛艦が不審船に対して行ったサーチライト照射、ヘリコプター派遣、大規模音量発生装置での警告といった行動は、憲法違反の武力による威嚇に他ならない。

 海賊対処法が成立すれば、国籍を問わずあらゆる船舶が保護の対象となり、停戦命令に従わない船への船体射撃(目的遂行のための武器の使用)が認められることになるから、停船命令の意味を理解できない難民船に対して射撃が行われる危険性も、十分に存在する。

 さらに、4月17日、浜田靖一防衛相は、ソマリアに隣接するジブチに海上自衛隊のP3C哨戒機を派遣するばかりか、警備任務の陸上自衛隊、補給任務の航空自衛隊までも派遣する準備をも指示した。これが実現すれば、ジブチに「3軍統合根拠地」が設営されることになる。護衛艦派遣の「根拠」とされた海上警備行動(自衛隊法第82条)によって、海上自衛隊のみならず、陸上自衛隊や航空自衛隊を海外に派兵することは、憲法のみならず自衛隊法をも逸脱したものである。また、陸上自衛隊の根拠地警備や航空自衛隊の補給などを伴わなければ対抗できないのであれば、その海賊はすでに犯罪者の範疇ではなく、国に準ずる組織にほかならない。こうした海賊に対する武器の使用は、憲法違反の武力行使とならざるを得ない。

 政府による「3軍統合派兵」の既成事実化は、恒常的な海外派兵態勢を生み出そうとするソマリア沖派兵と海賊対処法案の本質を雄弁に物語っている。

4 なし崩し的に海外に軍事拠点が設営され、海外で軍隊が戦端を開かれていくことを許容する事態は、平和憲法を制定したこの国で、断じて許されてはならない。
「3軍統合派兵」にエスカレートしようとしているソマリア沖派兵は直ちに中止されねばならず、それを追認し固定化する海賊対処法案は直ちに廃案にされねばならない。
自由法曹団は、対処法案の衆議院強行採決に強く抗議し、ソマリア沖派兵の中止と対処法案廃案を強く要求する。

            2009年4月23日
                 自由法曹団
                 団長 松井繁明

講演会のご案内

PRです.

JSA講演会「益川敏英博士のノーベル賞受賞を記念して」

 → フライヤーダウンロード

昨年,10月5日に日本科学者会議(JSA)主催の九州・沖縄シンポジウムで益川敏英先生をお招きして,九州大学六本松キャンパスで科学と教育をめぐる現状と課題につての討論を行いました.その中で先生の「6クオークモデル」の誕生に至る話を詳細に聞かせて頂きましたが,その2日後の夕方に南部・小林・益川の3先生方のノーベル賞受賞のニュースが舞い込み大変印象に残りました.
今回は,益川先生のノーベル賞受賞を記念して,比較的研究分野が近い岡本良治先生(九工大)に, その受賞理由,量子場理論の真空観や物質・力についての考え方,ゲージ理論などを分かりやすく解説して頂くと共に,研究方法論や自然観,また,科学者の社会的責任論などについての益川先生の見解や人となりについての解説をお願いして, 下記の講演会を開催します.これらの問題に興味をお持ちの方はお集まり下さい.

講 演:「益川敏英博士の学問・方法論・社会的活動から何を学ぶか」
講 師:岡本良治氏(九州工業大学・教授)
日 時:5月10日(日曜日)15時30分~17時
場 所:久留米大学福岡サテライト(天神・アクロス福岡5階,下図参照)
入 場:無料

なお,講演会終了後,懇親会を行います.参加希望の方は下記へご連絡下さい.
主 催:日本科学者会議福岡支部
連絡先:九大・総理工 三好永作(電話:092-583-8839,E-mail: miyoshiアットマークasem.kyushu-u.ac.jp)

(オリジナルサイトでの掲載は4月23日)

ソウルでの「ミサイル防衛」反対国際会議

new2st.gif基地前スピーチ,高解像度版(注意!110メガバイトもあります.)
new2st.gif(末尾に基地前スピーチの動画を追加)
「ミサイル防衛」(MD)問題での”グローバルネットワーク”国際会議がソウルで開かれるというので,近いことでもあるし,参加してみることにしました.ホントは申し込み締め切り後だったのですが,たまたまキャンセルがあったということで,もぐり込めました.

会議前夜16日の懇親会で挨拶するグローバルネットワーク事務局長のブルース・ギャグノンさん.gagnon2.jpg

熱いソウルの3日間でした.詳しいことは帰ってからということで,とりあえずはトップ項目に挙げるべき話題について書きます.それはなんと言っても,チェコでMDのためのレーダー受け入れを止めた市民運動の報告です.残念ながらチェコの活動家は来ていなくて,ヨーロッパ平和連合(仮訳名,Europe for Peace)の幹事を務めるイタリア人のアンナ・ポロという人が発表しました.

彼女はビデオを2本ほど上映しました.
SANY0054b.jpg
上映されたビデオのオリジナルは次にあります.
オバマ大統領が来たときの"invisible man"のデモ(上の画面のもの)
2007年のプラハでの大規模デモの様子

とてもアーティスティックで印象的なパフォーマンス・デモの手法は大いに学ぶべきです.東京ではこのようなスタイルも最近は増えているのでしょうか?福岡や佐賀などではまだあまり見られないようです.

運動が盛り上がり,集会やデモが大きくなっても主要メディアはほとんど無視したそうです.どこでも同じことで,メディアに無視されることは運動が広がらない(広げられない)ことのいいわけにはならないと言うことです.(もちろん運動の側は,特に日本の市民運動は,「メディア対策」にもっと真剣に,本格的に取り組まなければいけません.)

もう一つ感心するのは,チェコの市民の想像力の大きさです.彼らが阻止したのは,攻撃のミサイルでないのはもちろん,迎撃のミサイル本体ですらなく,そのための“単なる”レーダー基地の建設なのです.
SANY0029w520.jpg
到着した日のインチョン空港近くの沿道の桜は満開でした.





------
会議終了後,ピョンテク基地前で地元の活動家らと基地拡張に反対する集会を開きました.そこで演説する”グローバルネットワーク”事務局長のブルース・ギャグノンさんです.



1401577.gifこちらに→高解像度版(注意!110メガバイトもあります.)

上のビデオのように通訳で大活躍したきくちゆみさんの詳しい記事があります.ぜひご覧下さい.

人為的につくられる緊張:ピョンテクの米空軍基地で
http://kikuchiyumi.blogspot.com/2009/04/blog-post_19.html
♪ ソウルから ♪ - 33分21秒 - 7.7 MB
http://kikuchiyumi.blogspot.com/2009/04/blog-post_17.html

(オリジナルサイトでの掲載は4月19日)

またまた永久機関

1年前に,テレビ東京が「水で走る自動車」というトンデモ企業を宣伝したことを取り上げたが,こんどは毎日新聞が,同様の「永久エンジン」を宣伝した.

発電装置:太陽光や風力より効率良く、電磁力で電力供給--木下さん開発 /神奈川

記事によれば「電磁力で電力供給」だそうである.
開発した発電装置は、円形アルミ板の周縁に磁石のN極、S極を交互に配列した回転体が大きな特徴。その周囲にコの字形の銅線コイルを配置する。始動時には市販モーターの助けを借りて回転体がコイルの間を動き始め、回転速度が増すと、ベルトでつながった別のモーターを回し発電する。
「毎時500キロワット」などという変な単位も使われている.

この記事で注目すべきは,「プルサーマル」もこの「トンデモ科学」,似非科学技術に連座させされかねないことだ.九州電力の元最高顧問のコメントが登場する.
特許出願中のため構造は極秘だが、電気工学や機械工学、物理学の研究者らが相次ぎ視察。元九州電力最高顧問で核燃料サイクルのプルサーマル研究に携わってきた元国際原子力機関委員の松下清彦さんは「画期的な発電装置」と認めている
そのような人が研究に携わったのなら,プルサーマル計画までも怪しくなる(もともと怪しいが).

永久機関,perpetual engine というものが余りにも知られていない.この記事を書いた記者も知らないのだろう.もちろんすべてを疑って構わないので,「永久機関は不可能である」という命題も当然疑ってよい.だから,「これは永久機関のように思われるが,もしそれが実現したのなら,近代技術の歴史を塗り替える驚嘆すべき,太陽が西から昇るほどの,快挙である」とひとこと付け加えるべきだった.
(オリジナルサイトでの掲載は4月16日)

根津さんの“停職出勤”,各地で好意的反応

new2st.gif(4月21日追記)「その2」が出ました.

根津さんの“停職『出勤』日記”が始まりました.第1号が「薔薇、または陽だまりの猫」に転載されています.

停職「出勤」日記1 /根津公子

都庁前のチラシまきでは,都庁の職員の人から「クビにならなくてよかったですね」と声をかけられたり,深々と挨拶をする人が何人もいたそうです.
根津さんはいくつもの学校に「飛ばされ」ているので,それらの学校に日替わりで行かれているようですが,どの学校でも生徒・父母・同僚らに好意的に迎えられているようすが分かります.もはや「ヒロイン」のような・・・.
(オリジナルサイトでの掲載は4月12日)

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はたして、911 は本当にテロだったのか。ZERO は、原版(イタリア語)の制作(2007年)以来、ローマ国際映画祭(2007年10月)、ブリュッセルEU議会場(2008年 2月)、ロシア国営放送(2008年9月)で上映された、対テロ戦争の原点を鋭くえぐる長編ドキュメンタリー。

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靖国問題ではビデオ「まだ軍服を着せますか?」もおすすめです:
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