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2008-10

スト情報を流さないイタリアのテレビ

イタリア関係でもう一つ.学会場となった小さな町カスティリオンチェッロからフィレンツェに移る予定の日に,国鉄がストを予定していることが判明した.あわててバスなどの代替手段を考えようと,バス停の時刻表を写真に撮って,どれに乗ればいいかホテルの人に聞こうと思った.ところが,乗り換えの接続が悪い,行けないなどと言ってほとんど真剣に取り合ってくれない.

SANY0396w400.jpg国鉄の駅は無人駅で,切符は駅前の売店が売っているので,そこにストがどうなったか聞いてみると,「ラジオが中止とか言っていたような気がする」という,いい加減な応対だ.切符を売る仕事をしているなら,そんな情報はちゃんとつかんでくれよ,と言いたいが,どうやらこれがこちらの標準らしい.

そこで売店で仕入れたこの情報をホテルの受付に持って行くと,「いや,多分ストはあるだろう」と,調べもしないで言う.「じゃあ出発を早めて,列車が動くうちに引き上げるので,今日の宿泊をキャンセルしたい」と言うと,ようやく電話をかけて調べ始め,スト中止が判明した.もう,まったく・・・.

不思議なのは,こんな重要な,特に旅行者にとっては死活的な情報を,テレビが全く報道しないことだ.いったいどうなっているのか・・・.

ホテルや駅前の売店の経験は,たまたま接した人の個性によるものかも知れない.しかし一般にヨーロッパに行くと日本のサービス業がいかに懇切丁寧で行き届いているかということが分かる.でも,だからと言って日本が良くてヨーロッパがダメと言うことも出来ない.つまり,少なくとも働く側の立場からすれば,日本に較べてヨーロッパの方が逆にはるかにいいのだ.みなゆったりと仕事をしているし,接客態度も堂々としている.労働時間もはるかに短いはずだ.「カローシ」という言葉が生まれる国とは大違い.

どうしてこのような違いが出来るのか考えてみると,この国日本では,個々人の消費者,サービスの受け手としての側面ばかりが強調され,生産者,労働者としての側面が軽視されていることに大きな原因があるのではないだろうか.働かなくても不自由なく暮らしていける人は別として,ほとんどだれでも働かなければならず,したがってこの二つの面を持っているのだが,なぜか前者ばかり強調され,後者はほとんど無視される.消費者の立場に立てば,店はいつでも開いていた方がいいし,窓口の行列は短いほどいい.しかし,それを実現するには,労働者は長時間,忙しく働かなければならない.

この二つの側面が切り離されてしまって,両方とも「自分のこと」なのだということを,なぜか忘れるようにし向けられているのではないか.要は,この二つの間のバランスこそ重要なのだ.

福岡で4日に,環境,平和,大学のありかたなどをテーマとするシンポジウム

直前ですが,今度の土曜(4日),福岡で,「日本科学者会議」という,主に大学の教員などがメンバーの組織が,公開シンポジウムを開きます.話題は環境,平和,そして大学のありかたと,幅広いものです.興味を持たれたらどうぞご参加下さい.場所は,九州大学六本松キャンパスの5号館510号教室です.地下鉄駅が門の前で,とても便利です.
詳しくは,同シンポのウェブサイトをご覧下さい.
http://meg.cube.kyushu-u.ac.jp/~miyoshi/jsa_symposium.html

シンポジウムプログラム

10月4日(土)「21世紀の九州沖縄の環境・平和について考える」

開会の挨拶(13時~13時5分) 杉浦 實氏(九州大名誉教授)

第1部 九州の環境問題(13時5分~15時15分) 司会:河内 俊英氏(久留米大)
  1-1)小玉 直也氏(赤江浜を守る会,ひむかの砂浜復元ネットワーク)
      「宮崎の海岸の行方」
  1-2)川野 田實夫氏(大分大)
      「環境NPOと連携した環境教育の実践ー大分大学での教養教育『大野川の場合』ー」
  1-3)馬奈木 昭雄弁護団長(有明訴訟)
      「佐賀地方裁判所による開門命令判決と有明海再生の展望」

第2部 基地問題と日本の将来(15時30分~18時) 司会:豊島 耕一氏(佐賀大)
  2-1)亀山 統一氏(琉球大)
      「『日米同盟の変革』で激変する沖縄・九州の基地問題」
  2-2)冨塚 明氏(長崎大)
      「『ミサイル防衛』ーその虚構と現実ー」
  2-3)木村 朗氏(鹿児島大)
      「9.11事件以後の世界と日本の選択」
  
懇親会 (18時30分~20時)六文銭(電話:092-712-1536)


10月5日(日)「科学と教育をめぐる現状と課題」
  
第3部 大学のあるべき姿(9時~10時30分) 司会:岡本 良治氏(九州工大)
  3-1)益川 敏英氏(京都産業大)
      「今、大学に何が求められているのか」

第4部 大学の現状と課題(10時40分~12時40分) 司会:鈴木 右文氏(九州大)
  4-1)小早川 義尚氏(九州大)
      「九州大の教員人件費管理問題の実情」
  4-2)堺 英二郎氏(琉球大)
      「琉球大の現状と問題点」
  4-3)木村 浩則氏(熊本大)
      「国立大学における『公共性の喪失』ー熊本大学の事例からー」
  4-4)野中 善政氏(宮崎大)
      「運営費交付金削減は国立大学にどのような影響を及ぼすかー宮崎大学財務諸表の分析に基づいてー」

イタリアのギャグ番組

SANY0372tr08deg240w.jpg小さな学会(ワークショップ)に参加するためイタリアに来ている.自分の「コマーシャル」(学会主宰者の言い方)の番が終わり,ホッとしているが,直後に質問がなく,ちょっとがっかりしていた.ところが翌日の火曜日,コーヒーブレイクの時,世話人格の人が質問してきた.聞くと,なんたることか,ほとんど分かってもらっていない.別にそれほど難しい話でもないし,周到に準備してじゅうぶん分かりやすく話したつもりだったが,やはりコミュニケーションというのは難しいものだ.スライド*のコピーを持っていたので,それを使って説明する.よく理解してもらえたし,interestingと言ってくれたので,これだけでも大きな成果だ.(写真は会場となったCastiglioncelloのお城,末尾に同業者向け情報へのリンク)
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話は全く変わって,遡って月曜の夜になるが,ホテルで見たテレビについて.
「ダビンチコード」をちょっとだけ見てチャンネルを変えると(多分RAI UNO),ドタバタ喜劇をやっていた.二人の太った男が,シチュエーションを次から次に変えて,おバカなことを繰り返す.言葉は全く分からないが,それでもほとんど抱腹絶倒.イタリアのギャグのハチャメチャぶりは何段階か上だ.たとえば,イギリスのMrビーンとも違う.日本のテレビ局は何とか輸入してもらえないだろうか.

障害者もギャグのネタになっていた.盲人が飛行機の機内を杖で歩くとき,乗務員の急所をその杖で上向きに叩いてしまうとか,胴体結合の二人の紳士がトイレになかなか入れないので,乗務員がむりやり押し込むと,反対側の壁が抜けて飛行機から飛び出してしまうとか・・・.このように言葉で説明しても全然おかしさは伝わらないとは思うが・・・.

しかしこのようなギャグは日本ではまず無理ではないかと思う.多分ごうごうたる非難が放送局に殺到するだろう.しかしよく考えてみると,その方がむしろ変だと思えてきた.パロディーやギャグは,障害者/健常者という分類で言えば,通常は後者がからかったりコケにしたりする対象になるわけだが,ではなぜ前者はそうならないのか,と考えてみると,その「非対称性」が気になる.やはりこれも,後者が前者を「同じ仲間」と見ないこと,つまり「特別扱い」していることではないか.極言すればむしろこれこそが一種の「差別」ではないだろうか?

問題なのは,つまり表現が下品であったり差別的であったりするのは,対象とするグループが誰か,その属性が何かということではなく,ギャグやパロディーの内容次第ではないのか.また,障害者/健常者の分類にしたところで,だれでも多かれ少なかれ「障害者」なのだと思うが・・・.

その昔,「ゲバゲバ90分」というギャグ番組が一世を風靡した.ハズレが7割くらいだったかも知れないが,ヒットも多く,全体としてはかなり面白かった.あのレベルのギャグがテレビから消えて久しい.

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* もちろんいわゆる「パワポ」.でもみんな「次のスライドは・・・」などと言っていた.
同業者向けのリンク:ワークショップ“DICE2008”のサイト発表アブストラクトスライド同イメージ(字化け対策)

(これは会場特設のネットカフェから)

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はたして、911 は本当にテロだったのか。ZERO は、原版(イタリア語)の制作(2007年)以来、ローマ国際映画祭(2007年10月)、ブリュッセルEU議会場(2008年 2月)、ロシア国営放送(2008年9月)で上映された、対テロ戦争の原点を鋭くえぐる長編ドキュメンタリー。

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