2006-03

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法政大学事件:五十嵐氏の論調について

(昨日の記事「こんどは法政大学で言論弾圧」の続きです.)
「五十嵐仁の転成仁語」の3月17日と19日の記事に,法政大学の事件が取り上げられています.その19日の記事には,矛盾とは言わないまでも不完全さが見られると思います.
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm

 五十嵐氏は,事実に関して,(中核派が)今回は暴力を振るったわけではなく,逮捕容疑となった『建造物侵入罪』と『威力業務妨害罪』は妥当しないと判断しています.また彼らにも「暴力を伴わない形での政治活動や政治的主張の場は保障するべき」で,問答無用の形で逮捕させるようなことがあってはならない,「『中核派だから』ということで、このような不当な逮捕を認めるのは『ダブルスタンダード』だとの批判を免れない」と述べていますが,これはまさに正論だと思います.

 ところが一方で「『学生を釈放しろ』という要求や『救援』したいという思いは、私も同じ」だが,「中核派の学生と一緒に、私の名前を出して釈放運動に加わるわけにはいきません」とも述べています.しかし問題は,“だれと一緒に”するかではなく,個人であれ,どのような人と共にであれ,“釈放運動を”するかどうか,ということなのですが,これがぼかされてしまっています.

 五十嵐氏は,中核派の過去の暴力行為を問題にしており,この点では全く私も同意見ですが,しかしそのことと今回の事態との,そしてそれへの第三者の対応のしかたとの論理的つながりが明確でありません.決してあからさまにそうは言ってはいないのですが,「過去に問題があるから無視されてもやむを得ない」というようなニュアンスを,行間,あるいは文章の裏に,ほんの数パーセントですが,匂わせるような表現になっていると思います.もっとも氏は記事で「釈放すべきだ」と述べていますから,個人としては最小限の“釈放運動”をされていると言えます.

 犯罪の取り締まりは,実際に行われたことに基づいておこなわれるというのが当たり前のことであって,過去の履歴や,意図,考えによる「予防拘束」のようなことを認めるのは,まさに共謀罪のイデオロギーに与することになるでしょう.「中核派だから」,「過去に暴力事件を起こしているから」,「まだその考えを改めていないから」ということで,今回のような事態を黙認するのは,共謀罪への反対と両立しないと思います.

 この件ではもう一つ問題があります.それは,自治会や学生たちを中核派と完全に同一視していいのかどうかということです.メディアは中核派という名前をかぶせており,それに属する学生がいるには違いないでしょうが,大多数がそうかどうかわからないし,また彼らは中核派の名前で行動しているわけでもないようです.したがって何かもっと精密な対応が必要と思われます.

 さて,中核派の過去については,「大学紛争」の真っ直中を学生として過ごした私としては,それほど不案内というわけではありません.「新左翼」と呼ばれたグループが竹槍,鉄パイプを持って大学キャンパスを闊歩し,互いに竹槍で突き合っている現場も目にしました.現在でも,中核派の機関紙に,革マルへの「復讐」という言葉を見かけましたので,まだ暴力を捨て切れていないように思われます.しかし重要なのは,これを批判することと今の実際の行為とを区別することです.社会的な運動を考える時,運動を組織する時,このことは重要ですし,そして今回のように,権力の弾圧に対する場面でも重要です.後者においては,法の対象は行為に限定されるというのが,守るべき重要な原則だと思うからです.

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追記
ホームページにメールリストへの投稿を転載しています.(2013.4.28リンク修正)
「ニーメラーの詩」の書き出しは「共産主義者」でなくてもいい

3月23日追記:もう一つどうしても注意しなければならないことは,そして本来むしろこの文章の冒頭に来るべき論点は,学内のタテカン等を一方的に規制するという今回の法政大学当局の言論抑圧に対して,彼らがまさに体を張って抵抗したという事実です(同大の他の教職員,学生はどうだったのでしょうか?).そのことはいっさい無視して過去の行状だけをあげつらう,これはとても公平な態度とも思えません.

関連記事:こんどは法政大学で言論弾圧

3月24日,「しんぶん赤旗」にメールを送りました.
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