2018-02

「神事」を扱うコミュニティーにおける個人の良心−貴乃花親方の場合

takanohana.jpg2月7日夕方のテレビ朝日の緊急特番「貴乃花親方 すべてを語る」をほぼ全部見た.スポニチによると,視聴率13.6%だったとのことである.(右の写真をクリック) [2/12追記:全録画が公開されています.]

貴乃花親方がメディアに対して沈黙を貫いていた時,彼は理事会に何通もの意見書などを提出していたことが明らかにされた.そして彼と貴ノ岩に対する,協会とメディアによる印象操作という実態が暴露された.

もちろん貴乃花の側の主張を一方的に取り上げているので,協会などの反論も待たなければならないだろうが,証拠と論理性・一貫性のある証言は,とても説得力があると思った.(むしろ協会の側の言い分はこれまですでに一方的かつ過剰に報道されたと言っていいのかも知れない.)

この一件は,単に相撲協会の内部の話題に止まらず,大きく言えば「組織における個人の良心」という規範問題にかかわってきて,「長いものには巻かれろ」「出る杭は打たれる」に代表されるこの国の精神風土までも揺さぶりそうな気配を感じる.その意味で元文科事務次官・前田喜平氏の告発行動と似ているが,今回の件は「現役」の組織人であるという点が大きく違う.また,番組視聴率が示すように,幅広い市井の人々の注目の中で繰り広げられたドラマという点でも,インパクトには格段の差があるだろう.

理事選で2票しか取れなかったことを聞かれても,その事実を淡々と受け止めていて,理事だからどうということはない,「自分は親方だから」と自らの力に自信を示した.

大学の教授会に引き写せば,執行部と違う考えを持っていても「どうせ言っても無駄」などと,自分の臆病さ,怠惰さを「力関係」のせいにする「賢い」教授たちは,昨日のインタビュー番組を見て,貴乃花親方の今回の態度について思索を巡らせて見てはどうか?しかしこの件では事件を見逃し置いてきぼりを食っているのはむしろインテリ層かも知れないので,「切れている電線」をつなぐのはむしろ難しいのかも知れない.

ちなみに,インタビューの中で貴乃花親方は「神事」という言葉を使った.相撲はスポーツではなくやはり「神事」らしい.
4.jpg
(YouTubeから)

フランスの長寿テレビ番組,知的ゲーム「数字と文字」

(昨夜のFB書き込みと同じです.)
日本のTVの娯楽系長寿番組といえば「笑点」がトップだろう。私もファンでほぼ毎週見ている.
その昔フランスにいた時に見ていた,純粋に知的なゲーム番組”Des chiffres et des lettres”(数字と文字)という番組を思い出した.まさかと思いながら検索してみると,youtubeになんと去年10月放映のものが上がっていた.


「計算は合ってる」(Le Compte est bon)と「一番長い言葉」(Le Mot le plus long)という二つの種目からなる.後者は,提示される10ぐらいのアルファベットから選び出して最も長い言葉を見つけた方が勝ち,という極めて単純なもの.

上記動画を見る限り、当時とルールは全く変わっていないようだ.驚くべき長寿ぶり,しかも,純粋に知的で地味な番組がこの成績とは驚く.

多くの日本のTV娯楽番組のつまらなさを見るに付け,これをそのまま輸入したらどうだろうかと思う.数字のゲームは全くそのままでいいし,後者はアルファベットを五十音に変えるだけでいいだろう.アクサンなど文字の上に付ける修飾記号は無視されているので,日本語の濁音,半濁音の記号も同様に扱えばいいだろう.

以下,上記の動画からいくつか画面コピーを.

全文を表示 »

「準強姦事件逮捕状執行停止問題」の検証を加速せよ−“Black Box”を読んで

51toF57lPYL._SX344_BO1,204,203,200_.jpg伊藤詩織さんの“Black Box”を読了した.応援の意味でほとんど発売直後に買っていたが,読むのは今になってしまった.ただただ圧倒される.彼女を襲った過酷な事件と現実,彼女の苦しみ,そして勇気とリサーチ力に.また彼女を取り巻く友人などのサポートが大きな力になったことも分かる.警察,メディア,そして政治権力の今の姿を,彼女が遭遇し,また切り開いた鋭い切り口から,その切断面に映る恐怖の影とも闘いながら記録したものだ.

彼女が昨年外国特派員協会で記者会見をした時,それを毎日新聞が完全黙殺したことを3日後の昨年10月27日の記事にしたが,自分の傷口を社会に晒すことにもなる彼女の行動がどれほどのエネルギーと気力を振り絞ったものだったか,あまり想像しなかった.この会見直後のことを彼女は次のように書いている.病院に運ばれ,「それから数日間,体が動かなかった.咀嚼する力もなく,お腹もすかない.固形物は一週間以上,喉を通らなかった.息が深くできず,体は死人のように冷たくなっていた.」(227ページ)

一連の事象のうち,異常な逮捕状の執行停止という件,これも明らかに「事件」と言えるものだ.しかも政治権力,つまり安倍晋三と重大な関わりを持つ事件である状況証拠について,もうすでに多くの人が確認していることだが,あらためてこの本から拾ってみよう.時系列に並べる.(主に213~215ページ)

(2016.5.8)山口氏が週刊新潮のこの事件での取材の件をFBに投稿したのに対し,安倍首相夫人の昭恵氏が「いいね」を押した.
(2016.5.8の数日?後)事件を週刊新潮が取材していることを知った山口氏が,北村という人物に相談を持ちかけるメールを送ったが(間違って週刊新潮に誤送信したため判明),この北村は北村滋・内閣情報調査官に間違いない”ようだ”.
(2016.6.8)発行された逮捕状の直前での執行停止という事態は(ほとんど?)前例のないことだが,それは現場で捜査に当たっている警察官ではなく,ずっと上位にある警視庁刑事課長の中村格氏の「決裁」であることを,のちに中村氏本人が週刊新潮の記者に語っている(週刊新潮2017.5.18号).
(2016.6.9)山口氏の著書「総理」が出版される.

多くの人がすでに議論したことだと思うが,事件化を恐れた安倍首相が,中村格氏を通じてもみ消しを図ったという線が濃厚だ.野党超党派による「準強姦事件逮捕状執行停止問題を検証する会」の活動の活発化を期待する.

放置される「表現の自由」特別報告の勧告

1170.jpg「週刊金曜日」2月2日号に,昨年6月に出された国連特別報告者デービッド・ケイ氏の報告書を受けてのシンポジウムの記事が出ている.報告書は日本のメディア状況について国連人権理事会に提出されたもので,「メディアの独立性が重大な脅威にさらされている」(同誌引用)と警鐘を鳴らすものだ(1401577.gif報告書原文はこちら).

来日の際,ケイ氏は「生かすも殺すも皆さん次第.この勧告を重視するならば,社会的議論が始まるでしょう」と語った(同誌).しかし半年以上経っても「社会的議論が始ま」っているとは思えない.驚くべきことに,検索語をいろいろ試みても,本文の日本語訳が出てこないのだ.議論の「出発点」にさえ容易には立てない.それどころか,検索でははじめの方には,「反日報告書」と言った類のものが並ぶと言うありさまだ.

気にかかるのは,この記事の中ほどに,東京新聞の望月記者へのバッシングが(官房長官会見での質問が注目されてから)激しくなっているということだ.「望月記者」が2人になり3人になれば,どうと言うことはないだろう.なぜ未だに彼女に続く記者が − と言っても,記者として極めて常識的な振る舞いいをしているに過ぎないと思うが - なぜ出ないのか?それほどまで腰抜け腑抜けばかりの集まりなのか,それとも,欧米と違ってジャーナリストとしての専門教育を受けていないため(→関連記事),「ムラ」の掟に従うしか能がない,と言うことだろうか?

「自主規制が一番危険」と言うケイ氏の言葉も重く受け止めるべきだ.
報告書本文は英文で19ページとのことなので,さほど大部でもない.然るべきジャーナリスト団体のウェブサイトは,万一未だ日本語訳がないのならすぐに翻訳・アップロードして,簡単にダウンロードできるように,そして検索でも上位に来るように,努力していただきたい.
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関連リンク
報告書全文(本文中にもリンク)
週プレNEWS :
国連特別報告者・デービッド・ケイ氏に独占直撃! 表現の自由・共謀罪に対する懸念を「生かすか殺すかは日本の皆さんと政府次第」[2017年06月18日]
国連特別報告者・デービッド・ケイ氏を独占直撃!「日本の報道機関は政府からの抑圧をはね返す力が弱い」[2017年06月19日]

Human Rights Now の記事:
The UN Special Rapporteur on Freedom of Expression, David Kaye, releases his report on Japan for the 35th Human Rights Council session

国家規模ないしグローバル規模の詐欺商法に加担するメディア

NHK衛星放送がレピートしたオーストラリアABC放送の,軍拡に関するニュース.2018年1月22日朝放映されたもの.


ナレーションを一部転載すると・・・
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オーストラリアに,軍事費の増額と,駐留米軍兵士の増加の要求が出されそうです.ロシアや中国と競うために,軍事力の増強計画を発表したアメリカのマティス国防長官の考えをオーストラリアは支持していますが,アナリストはオーストラリアも一部負担を余儀なくされると見ています.国際情勢は変化しています.軍事アナリストのデイビス氏です.
「国防戦略から読み取れる最も重要な点は脅威が変わったと言う認識です.」
アメリカのマティス国防長官が,テロとの戦いが国防の第一優先課題ではないと発表しました.むしろ脅威と見なすべきは,軍事力を強めるロシア,中国で,アメリカはそれに対応するため,軍事的な優位を保たなくてはならない,としました.
マティス:「アメリカの民主主義を脅かそうとすれば,厳しい状況に直面してしまうということを知るべきです.」

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敵がいなくなれば,新たに敵を作る,そして兵器を買わせる.メディアは詐欺商法に気をつけろと言うが,大規模な詐欺商法には無批判そのもの.ISに代わるアメリカにとっての新しい「脅威」とされるロシアや中国,アメリカにとって彼らは,言葉も通じない宇宙人のようなものなのか?もし通訳が可能なら,これらの国に軍縮の相談を一言でも持ちかけたのだろうか?
堂々とこのようなプロパガンダ,詐欺商法が行われるのは,多くの人が騙されると言うことも意味しているだろう.
川柳が一句浮かびましたが,まずは新聞に投稿してみます.

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はたして、911 は本当にテロだったのか。ZERO は、原版(イタリア語)の制作(2007年)以来、ローマ国際映画祭(2007年10月)、ブリュッセルEU議会場(2008年 2月)、ロシア国営放送(2008年9月)で上映された、対テロ戦争の原点を鋭くえぐる長編ドキュメンタリー。

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